福福吉吉

ドラゴン危機一発の福福吉吉のレビュー・感想・評価

ドラゴン危機一発(1971年製作の映画)
3.0
田舎から上京してきたチェン(ブルース・リー)はシュウ(ジェームス・ティエン)たちとともに製氷工場で働き始める。その工場では行方不明者が出ており、工場長や社長へ訴えるが事態は好転しない。その裏では製氷工場での麻薬の密輸が行われており、気づいた人間を亡き者にしていた。

前述のとおり、本作は作品の肝になりそうな麻薬の密輸を序盤で明らかにしているため、その事実に気づかず、工場長や社長の思うどおりに右往左往するチェンたちの姿に少し焦れる展開になっています。

チェンたちの姿はコミカルに描かれていて、思った以上にストーリーが緩く流れていきます。また、チェンは喧嘩をしないことを母に誓っているため、期待するブルース・リーのアクションは中盤になるまで一切出てきません。女性や子供が絡まれても、仲間たちがやられても、つまんなさそうに眺めるブルース・リーの表情を観て、「演技間違ってないか?」と疑問に思いました。
また、工場の監督に出世して浮かれるチェン、工場長の接待で酒に酔って女性と一夜を共にするチェンなどかなりユニークな部分を観ることができます。

それでもチェンの戦闘アクションはスピード感があり、多勢を一蹴する姿はとてもカッコよいです。

ストーリーにもう少し緊迫感のある展開が欲しいところですが、現在の作品のようなスピード感を1971年の作品に求めるのは酷かもしれません。

私の勝手なイメージでてっきりシリアスな作品ばかりだと思っていたので、ブルース・リーのひょうきんなところも観ることができて楽しかったです。

鑑賞日:2022年10月14日
鑑賞方法:BS/CS ムービープラス
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