たけちゃん

ドラゴン危機一発のたけちゃんのレビュー・感想・評価

ドラゴン危機一発(1971年製作の映画)
3.7
母さんとの約束を破っちまった……


ロー・ウェイ監督・脚本
製作総指揮レイモンド・チョウ
ゴールデン・ハーベスト配給 1971年製作
主演ブルース・リー


シリーズ「月イチブルース・リー」
ブルース・リー作品巡りの旅の第2弾です!
ブルース・リー生誕80周年の今年、命日から誕生日にかけて、ブルース・リー作品を観ていこうというシリーズのスタートは「怒りの鉄拳」でしたが、今回は前作となる「ドラゴン危機一発」を取り上げます。

今作はブルース・リーがハリウッドから香港に戻っての主演第1作となります。
それにしても「復活祭」で観られた方は羨ましいぞ~。僕は劇場で観られたブルース・リー作品はないんです😂






さて、映画です。
原題は「唐山大兄」
唐山から来たお兄さんってタイトル(笑)
全然強そうじゃないよね( ¯−¯ )フッ
でも、記念すべきブルース・リーのゴールデン・ハーベスト社での第1作。ブルース・リー伝説はここから始まるんです。

勝手な想像だけど、ハリウッド帰りのブルース・リーって、まだ海のものとも山のものとも分からない頃だから、様子見の1本なはず。
今作は本来、従兄弟のホイを演じたジェームス・ティエン主演で企画されていたらしい。そしたら、実際に見たブルース・リーがあまりにも凄かったんで、彼は早々と退場することにして、ブルース・リーの逆襲話が展開されたそうです。

そりゃそうだ。
だって、映画でも、1人だけレベルが違う。
蹴りのスピードとか、素人目にも分かる。
それほどブルース・リーは凄かったんだね。


ホイの妹ハウ・ムイ役はマリア・イー
マリア・イー、可愛いなぁ。
「怒りの鉄拳」ではノラ・ミャオにヒロインを持っていかれましたが、今作はホイの妹役で、最後までヒロインでした!

そのノラ・ミャオは、今作では氷菓子の売り子役で、本当に端役の出演。次作で立場が逆転。
個人的にはマリア・イーの方が好き(ˆωˆ )フフフ…


社長役のラスボス、ライ役はハン・インチェ(韓英傑)、この映画の武術指導なんですよ。
このハン・インチェさん、ショウ・ブラザーズ時代にトランポリン・アクションを取り入れたり、香港映画に新風を吹き込んだ方のようです。
1970年にゴールデン・ハーベスト社に入り、今作で武術指導とラスボスを演じたんですね。

でも、正直、殺陣は古臭くて、スピード感にも欠けるんですが、それは今日の作品を観るから。当時としては画期的なアクションだったのは間違いないんです。

監督のロー・ウェイが他の作品にも関わっていて、2足のわらじのため、他の人が演出したとか、残念な事も多い作品なので、クオリティにはこれ以上関わらずに、ブルース・リーのカンフーを楽しんでください。

この作品のヒットで、ブルース・リーは一躍スターとなり、次作の「怒りの鉄拳」でそれが不動のものとなるわけです。
だから、無視できない1本だし、日本では「燃えよドラゴン」の次に公開された作品ですからね。ファンも多い( ˘ ˘ )ウンウン




ところで、今作の音楽はプログレばかり。
ピンク・フロイドやキング・クリムゾンなんですよね。
あとからはめたのかなぁ。
このあたり、資料が無くて分からなかった……。


ホイを探している場面はキング・クリムゾンの「太陽と戦慄Part Ⅱ」だなぁ。

工場長に呼ばれる場面や社長に会いに行くシーンはピンク・フロイドの「Time」だよね。

でも、「太陽と戦慄」の発表は1973年だし、「Time」が収録されているアルバムは「狂気」だから、これも1973年。

となると、この映画が撮られた1971年には、このBGMは入っていなかったはずで、あとから付け加えられたのが分かります。
日本公開は1974年で、この時はオリジナル主題歌が加えられているし、1982年に広東語でリバイバルされた時は、ブルース・リーの怪鳥音も加えられてるので、その時かもしれませんね。
正確なことは分かりませんでした(´.ω.`)シュン

知ってる方いたら、教えてください<(_ _)>



ということで、今回の「月イチブルース・リー」はこの辺で。次回は「ドラゴンへの道」でお会いしましょう\(^o^)/