イチロヲ

赤いキャンパス 狂った放課後のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
亭主関白に喘いでいる夫人(仁科まり子)が、教職に就いている夫(高橋幸兵)の二面性を人間観察していく。自己顕示欲の保持と崩壊を描いている、日活ロマンポルノ。NCP製作。

校内暴力が社会問題になっていた時分の作品。ヒロインの夫は、模範的な教師を取り繕いながら、不良生徒に試験の内容を横流し。そして「すぐにヤラせる女子」を紹介してもらっている。つまり、教職員も心根は不良であることを示唆している。

教師と生徒の揉め事を不良同士の内輪揉めのように描写しており、夫が「自宅・学内・不良生徒の部屋」の三ヶ所で別の顔に豹変するところが面白い。教育実習生(太田あや子)に感化される展開もまた、絶妙なケレンミが備わっている。

非行化・不良化について述べると、夫、生徒ともに「母親による甘やかし」が、原因のように描かれている。そのため、世代を超えたかたちで「母親離れの失敗」を描いているドラマと捉えることができる。
イチロヲ

イチロヲ