Taiga

39 刑法第三十九条のTaigaのネタバレレビュー・内容・結末

39 刑法第三十九条(1999年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

軽くでも刑法を学んでいると必ず学ぶのは「意思を持ってその行為を実現した」という人を処罰するという故意犯処罰の原則。

殺人罪なら
①”Aという人を殺そうという内心” を持って
②”Aという人を殺す” という行為を
③”遂げる” ことで成立する。
これで①があるのに殺す気のないBを殺してしまったり、①がなかったのに②をしてしまったりすると成立する刑罰が変わってくる。
そして、そこに加わってくるのが「違法性」と「有責性」でこの刑法39条は「有責性」に関わっている。
罪を犯した人に責任能力があるか否かが問われるというもの。

机上で学んでいる限り①の内心部分が故意か過失か行為から読み解くことが多かった。計画性のある無しとか客観的視点に基づく。

でも有責性の内心てかなり難しい。ここは名称程度で深くやらなかった。
今回みたいに意思を持って行為をしたのが同じ人間は人間でも、別の人格だったとなればこの判断は被疑者を診る人の主観にならざるを得ないと思う。一つの物差しでは測れないことなはず。
同じ内心や意思でも、行為の部分と責任能力の部分では見方が全然変わるなと思った。

確かに鑑みる必要はある。けど罰せずというのは問題があると思う。勿論精神障害があったから再犯をするというのは言えないけど、犯罪時に責任能力が不明確になる可能性があるなら無罪にはすべきでないと思う。
(調べたら今は医療観察法というのがあるらしく無罪放免ではなく治療が行われるらしい)


香深の薬の服用やお母さんの感じは何を意味してたんやろ?
過去にトラウマがある中で工藤に対して寄り添うのかなと思いきや、詐病を指摘するのは意外というか、なんというか。


演技、音楽、カメラワーク、色味の全てが重苦しいダークな雰囲気を作り出してる。
Taiga

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