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セーラー服と機関銃のunknownのネタバレレビュー・内容・結末

セーラー服と機関銃(1981年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

薬師丸ひろ子が機関銃ぶっ放した後「カ・イ・カ・ン」ってつぶやく超有名なシーンしか知らなかったんだけど、今回初めて全編観て、変なシーンもいっぱいあったけどかなり面白くてびっくりした。

まず映像が素晴らしい。タイトルカットの後、薬師丸演じる星泉が線路の遮断機の前で座り込むんだけど、遮断機の棒がちょうど泉の目の真ん前に降りてきて目隠し犯人画像みたいになるのが最高にイカしてて、そこからぐっと引きこまれた。あと引きのカットとか上空からのカットとか長回しとかいちいち凄くて。暴走族と一緒にバイクでかっ飛ばしながら組員のヒコがヤクザになった理由を朗らかに語るシーンも良いし、渡瀬恒彦演じる佐久間が舎弟の死体をおんぶして泉と組事務所に帰る途中、チンドン屋と行き交いつつ、可動式ピエロ人形が謎めいた動きをかましてくるシーンも混沌としてて好き。あと泉が対抗するヤクザの組に単身乗り込んだ後捕らえられて、「お笑いウルトラクイズ」ばりにでっかいクレーンで吊り下げられ何度もセメントプールへ落とされるシーンは完全に拷問で笑った😂薬師丸ひろ子頑張ったね…。

「ヤクザなのにメソメソする子は嫌いよ!」「すぐに死んでカタを付けようとするの、悪い癖よ?直しなさい」っていう泉のセリフにもグッときた。「腹の中はドロドロに腐っちまってるんです。てめえでてめえの嫌な臭いにやりきれなくてもっと汚ねえもの、てめえより腐ったものにのめっていく、そうしねえと1日の終わりが切なくて」って絶叫告白した佐久間や、「おふくろの匂いがする」と言いながら思わず泉に抱きついてしまった組員・メイ達との対比。結局ヤクザ達は皆死んじゃって、泉と泉の死んだ父親の恋人だけ生きてるっていう。切ねえ。

最初は組長になることを固辞していた泉に「組長に年齢や性別の制限はありません」「経験を積みゃあいいんですよ」と言い切る目高組・佐久間。1981年の日本でこのジェンダー平等思想は最先端すぎる。さすが赤川次郎(原作)。めちゃくちゃ優良企業だったんだな、目高組😅

組織の大ボス・太っちょ(三國蓮太郎)。そのネーミングセンス(特に太ってない)。そして意気揚々と手術服にお着替え後、娘に撃たれてあっさり死んだの何だったんだろ。。両脚切断と偽ってましたが実は本物の足がありました〜(驚)からのあっさり死。もうちょい引っ張ろうや。

ラストの泉によるモノローグ「生まれて初めての口づけを中年のオジンにあげてしまいました」…その口づけの相手は死後1日?経過の渡瀬恒彦。。それこそちょい腐りはじめちまってんじゃねえの?と一瞬思いました…🧟‍♂️

それにしてもギラついた渡瀬恒彦がかっこ良かった!ボサボサ髪もオールバックも良いわぁ。まだ10代(!)の柳沢慎吾も柳沢慎吾でしかなくやばかった。
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