佳

セーラー服と機関銃の佳のレビュー・感想・評価

セーラー服と機関銃(1981年製作の映画)
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まだまだ自分は昔の映画を見て、言いたいことやポイントをしっかりと掴めるほど目が肥えていないことを実感した。
撮影秘話や色んな人の感想などを調べてから、あああの場面はこうだったのかとわかってきた次第です。

女子高生とヤクザという生きる世界が違いすぎる人たちの対比。ヤクザの世界で、これまで完全に無関係だった女子高生が、突然組長にされたにも関わらず自分の役割を心得て堂々と振る舞うところは、「篤姫」に近いものを感じた。
何より最近知り合ったばかりのヤクザの組員達を守るため敵地に乗り込んだり、死を悲しんだりする心の広さが、この主人公の特徴でありこの映画の特徴なのではないかと思う。

長回しやロングショット、ゲリラ撮影という監督の得意技が惜しみなく発揮されたようで、
現在ではできないであろう方法で撮られたからこその、当時ならではのリアリティがある。
大学の授業で、昔の映画から今の映画に移行する過渡期の中で奇跡的に撮れてしまった映画、ときいたが、その意味がわかったような気がする。

橋本環奈さんバージョンの方は、ポスターのデザインがとても爽やかで、遠目から見ると普通の青春映画に見える。が、よく見ると手に持っている機関銃だけが浮いている。
このデザインにしたのは、ターゲット層の選定や映画に対して持つ印象を操作するための狙いなのだろうか、と考えている。
佳