Shelby

イン・ザ・スープのShelbyのレビュー・感想・評価

イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)
3.6
映画監督を目指すアルドルフォ。金に困り自分の脚本を売りに出すと、初老の男ジョーが資金援助を申し出る。ただし、このジョーという男。
何やら資金繰りのためにやることなすこと全て犯罪の域に達している。犯罪の片棒を担がされつつ、共に過ごす中でジョーのことを心の底から嫌いにはなれないでいた。

インザスープ、とは、窮地に陥るということを意味するタイトル。タイトルの時点でお洒落だし、センスが光る。まるで映画を撮るという行為そのものが、インザスープなのだと言わんばかりの監督からの皮肉が込められているかのようにも思える。

アルドルフォの脚本を一応聞くジョー。
長ったらしい解釈を聴きながら
今何ページ目だ、と眠い眼で問いかけると、
まだ4ページ目だ、とアルドルフォ。
絶句したようなジョーの表情。
ここのくだりは最高に笑える。

TSUTAYAでDVDを借りるにあたり、チラと
見かけたのがこの映画を見てオダギリジョーは
芸名をジョーにしようと思ったほど、彼の中で
影響力のある作品だったとのこと。
分かる気がするなぁ。目立って面白いわけでもないのにやっぱりちょっと癖があって、
地味なのに何故かユニークで記憶に残る。

白黒映画ならではの、映像のザラつきがまた
いい味を出している。休日の昼下がりに
コーヒーでも飲みながらゆっくり鑑賞したくなる味わい深い作品。
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