安堵霊タラコフスキー

天国の日々の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

天国の日々(1978年製作の映画)
5.0
カンヌ映画祭でも使われるエンニオ・モリコーネの冒頭のスコアの時点で素晴らしいが、中身はもっと素晴らしい

中身と言っても他のテレンス・マリック作品同様その映像が要なのだけど、ネストール・アルメンドロス(とハスケル・ウェクスラー少々)の映す美しい自然とその中で生き生きと必死に暮らす人々には魅入ること必至で何度見ても心奪われるし、そんな映像をほぼマジックアワーと呼ばれる夕暮れ時に撮る徹底ぶりに狂気を感じつつも天晴れと言わざるを得ない

あまりドラマ性が無いのも良く、ほとんど仕事をしたり動物と戯れたりする人物を撮ることに終始して、脚本はそのための下地でしかないと言いたげな姿勢が映像からも見て取れてまたもや天晴れ

そしてそのためにこの作品でもモノローグが結構使われていて、ツリーオブライフ以降それを発展させた手法を用いるのも改めて見て合点がいった

話の内容よりも映像が心に残る映画こそ至高、そう改めて思わせてくれるものでこの映画はできていた