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ターミネーター2のGreenTのレビュー・感想・評価

ターミネーター2(1991年製作の映画)
5.0
アクションや特撮もワクワクさせられるんですけど、キャラも立っている上、キャストが揃ってキャラのイメージをパーフェクトに体現してる、さらにドラマ性もある!こんな映画なかなかないと思います。

前作で超没個性な娘だったサラ・コナーが、バッキバキのクールなキャラに大変身!!隔離病棟で懸垂やってる姿、サイドハンドルの警棒持って裸足で駆け回る姿、絶対忘れない!!

ところがエレベーターから出てきたT-800シュワちゃんモデルのターミネーターを見た途端、パニック状態になってしまう。凛々しい→パニック、この落差がすごい。リンダ・ハミルトンも、大根役者からすごい成長している!

シュワちゃんもカッコ良くなっちゃったし、機械っぽい顔の表情とかも上手いし、すごい垢抜けてる!

演出も、細かいところまでカッコ良くなってて、バラの花束からショットガンとか、チョッパーに乗ったシュワちゃんがショットガンをクルって回してから撃つとことか、カッコいい!!

ジョン・コナー役のエドワード・ファーロングも、悪ガキっぷりが当たり役だし、T-1000役のロバート・パトリックも、あの冷たーい感じが「液体金属」ぽくっていい!!

しかし、私が一番印象に残っているのは、スカイネットを開発している科学者のマイルス・ダイソンなんですよね~。自分の開発した機械が、人類を滅ぼすことになるとサラたちに教えられて、「吐きそう」って言ってる姿が気の毒。

会社に置いてある情報も破壊しないとならないので、サラ、ジョン、T-800を会社に連れていく。みんなで研究室やオフィスに爆弾を仕掛けていると警察に取り囲まれる。

自分の研究・開発したものを全て捨てるってのはどういう気持ちなんだろう?とか、この先この人どーすんだろ?って余計な心配しているとサラが「爆弾のリモート・コントロールを取って」ってダイソンに言う。ダイソンがリモートを持ち上げると、スワットが突入してきて、ダイソンはマシンガンで撃たれる!!

机の後ろになんとか隠れるが、ダイソンはもう自分が助からないとわかって、サラに目配せすると、サラは頷いて逃げる。

ダイソンが隠れている机にスワットが近づいてくる・・・。ダイソンはスワットに、「あと・・・どのくらい・・・支えて・・・いら・・・れるか・・・わからない・・・・」と言うと、リモートを落として、フロアが吹っ飛ぶ!

という下りなのだが、このシーンがすっごい衝撃だった。この人悪くないのに!って本当に気の毒になった。「奥さんと息子どーすんだろ~」とか。

でもこの、ダイソンが単にスワットに撃たれて死ぬんじゃなくて、リモート持たせて〜、みたいな演出が、細かいけど上手い!って思いません?

あと、メキシコの友達の家に武器を取りに行った時の、スッジスジのカラダにノーブラで黒いタンクトップ着てるサラがカッコいい!!

「マシーンは息子に忠実だ。酔っ払って殴ったりしないし、うるさいと怒鳴ったりもしない。いつも近くにいて息子を守ってくれる。この狂った世の中で、唯一狂っていない選択だったかも」

とか考えながら、タバコをくゆらす。し、渋い・・・・。1作目でエリマキトカゲに愛を求めていた娘とは思えない。

T-800とジョンが心を通わすシーンもいくないですか?ハイ・ファイブを教えたり、「dick wad」とか「No problemo」とか不良トークを教えたり、ジョンが母親に対する気持ちを色々話すところは、聞いているだけでサラとジョンがどんな生活をしてきたかが分かって上手いし。

T-1000が液体窒素で凍ったり、火花で溶けて蘇ったり、この液体金属 マシーンの設定の使い方もワクワクする。

最後、シュワちゃんモデルのターミネーターが自ら溶鉱炉に入るところ・・・・もうこれを書いているだけで涙が出てくる。ジョンが「行っちゃヤダ!」って泣くのが、すっごい気持ちわかる。ターミネーターも「なんで人間が泣くのかわかった」なんて言うからもう!本気で泣ける。

で、サラは黙って握手するんだよね〜。もうこの時点で号泣だよ〜!

そして、溶鉱炉に降りていくシュワちゃんと、それを見つめるサラの顔・・・・。ここ何回観ても泣く。

劇場公開版でも137分とちょっと長いなあ〜って思うところもあるんだけど、T-1000が死んでは蘇る、って設定なのでしょうがないかなあと。後半のカーチェイスが長すぎかな?って思ったけど、こういう時代でしたからね〜。

最後サラの独白で終わるのですが、削除シーンには、おばあさんになったサラが、ジョンの娘の靴紐を結び直すシーンがラストシーンとして入っているが、おばあさんメイクが下手くそすぎて笑った。削除にして正解なシーンだった。
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