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水俣一揆-一生を問う人々-のTSのレビュー・感想・評価

水俣一揆-一生を問う人々-(1973年製作の映画)
4.2
短文感想 88点
先程の『水俣 患者さんとその世界』が、患者さんに寄り添う作品とするならば、今作は企業との壮絶な争いを映した作品です。なんというか前者が「静」であるならば、今作は「動」となるでしょう。チッソ社長の嶋田vs交渉派リーダー川本との闘いが記録されています。vsといっても嶋田は黙りこくるか、ため息をついてしまいそうな事しか言えませんで、ひたすら川本達のターンが続く状況。テーブルの上にどんと座り、嶋田に睨みをきかせるシーンなど、この作品には「本気の熱」しかなく、非常に緊迫した空気を読み取れます。タフネスな交渉。それほどまでに被害者達の怨みは強いと言うことなのです。こういう本物を取れるジャンルは当たり前ですがドキュメンタリーだけ。だからこそ、ドキュメンタリー映画は素晴らしいのだといつも思います。
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