Iri17

皆殺しの天使のIri17のレビュー・感想・評価

皆殺しの天使(1962年製作の映画)
4.6
なぜ彼らは部屋から出れないのか?とっとと出ろよwwと言いたくなる。

部屋に結界が張ってある訳でもなんでもないのに、どうしても部屋から出れないという不条理さ。出れるはずの部屋から出れずに争いが始まる滑稽さ。これは当時の停滞したブルジョワを表している。周りに目を向けず、何もせずに滅びゆく金持ちたちを部屋から出れずに衰弱していくという人たちとして象徴的に描いているのだ。

屋敷の外の人間が屋敷の中に入れないのも、庶民とブルジョワの間に壁がある事を象徴している。

シュールレアリズムな映画の代表とも言える今作は当時のブルジョワの盛衰を描いた象徴的な作品である。
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