りょーこ

皆殺しの天使のりょーこのレビュー・感想・評価

皆殺しの天使(1962年製作の映画)
3.5
初ルイス・ブニュエル

『Relaxer』の元ネタとのことでお借りしました!
ありがたや~☆

図らずもメキシコ時代最大の問題作が初ブニュエルとなったわけですが……

小熊!羊!『CUBE』!!
そんな感じw

冒頭から反復の不穏さがキモ面白くて、そこからの展開、そしてオチも凄かった!



ある晩。
ノビレ夫妻の屋敷でパーティが開かれることに。

集まったお客はブルジョア20人ほど。
しかし、給仕係や料理人が何故か続々と出ていく。
代わりに小熊や羊がちらほらと。

とりあえずパーティは終わり、まったりしていると、夜も遅くなってきた。
が、誰も帰ろうとしないので、なんとなく全員泊まっていく。

しかし翌朝になっても、具合の悪くなった者が出ても、何故か誰も部屋から出ようとしない。

一体何が起きているのか?
ここから出ることは出来るのか?



解説書によると
"ブルジョアに対する攻撃と人間の内に潜む無意識の暴露"
が、ブニュエル映画の特性だそう。

まだ一作だけなので、ブルジョアに対する彼の描き方はそこまで分からず…

が、人間の無意識、極限状態の心理などはピリピリとした空気で感じ取れました。

パラディージのソナタ、フーガな感じだからバッハかと思ったら違った、恥ずかしいw
しかもパラディージとか聞いたことも無かった!

フーガの同旋律の反復、というのも作品に合っているのでしょうね♪

トリ足をカバンに忍ばせているおばさんにはビックリ(笑)
しかも普通にみんな手に取るのにもビックリ!

色んな解釈が出来る要素があるのですが、ブニュエル本人はそんなもん入れ込んでない!とか言ってる模様w

ま、観た人が感じたように捉えれば良いというのは、どんな作品も同じですね☆

画面のあちこちでキャラクタが動いているので、何度か観て楽しみたい良作!
りょーこ

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