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チャイナタウンのKANAのレビュー・感想・評価

チャイナタウン(1974年製作の映画)
3.9

奇才ロマン・ポランスキーのハードボイルド・ミステリーを改めて。

1930年代LAの水事情を背景にした陰謀、絡み合う複雑な人間関係…
ん〜〜やっぱりこの脚本は秀逸すぎて唸る!
原作があるわけではなく、全てオリジナル(しかもニコルソン主演を想定して)というからスゴイ。

加えて豪華なキャスト。

ジャック・ニコルソンの斜に構えてるけど情の厚さも見え隠れする絶妙な演技がハードボイルドしてて魅力的だし、単純に若きルックスがカッコイイ。
鋭くて危なっかしい顔立ちなのにどこか透明感と色気もあって好き。
鼻に絆創膏もなんであんなにセクシーに決まるんだろう?
(70sのニコルソンとRレッドフォードはレオとブラピにホントそっくり)
他作で見せるワルや狂気もハマるけど、こんなクールなキャラもいいなぁ。

フェイ・ダナウェイはアクの強いニコルソンを食う鼻持ちならない存在感で、これまた圧倒される。
秘め事のある、含みをもたせたあの演技はお見事!
インパクト大な極細アーチ眉がまたファムファタールぶりを強調してる気がする。

タイトルの「チャイナタウン」はジェイクにとって無力感の象徴…
そんな、キャラクターそれぞれのバックグラウンド×さり気なく伏線をばら撒いた黒幕探しのミステリー、
そこにジェイクの恋心・私情も絡んでくるからもう、いろんな角度から見応え充分。
と言って、ガチャガチャうるさくはなく、むしろ静か。
そう、雰囲気もまた本作の好きな点。
色褪せたようなフィルターがかかった画面、
ハードボイルドらしい哀愁漂うムーディーな曲、
衣装を始めとした30年代を再現したクラシカルな美術全般…

ポランスキーは私生活もスキャンダルにまみれてて本作は彼のロリコン魂も透けて見えるんだけど、でも今まで観た監督作はどれも好み。
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