太郎丸

死霊のえじきの太郎丸のレビュー・感想・評価

死霊のえじき(1985年製作の映画)
5.0
地上に溢れたゾンビVS地下に隠れた人間たち…当然人間VS人間も起こり…という映画。
ゾンビレジェンド映画、第3弾。

ゾンビが支配する地上、人間がしぶとくお互い争いながら生きてる地下、という対比…はさらっと。

閉鎖空間での人間ドラマにゾンビを添えて…というどちらかと言えば地味な作品。予算等の都合から脚本変更になったとの事で、登場人物が少なく、舞台装置も地下の基地内に絞られ変化が少ないです。
しかしそれらは、彼らの置かれた絶望的・どん詰まりの状況をより深刻に印象づける形となっていて、個人的には前作「ゾンビ」との差別化にもなり結果オーライだったと思っています。

人間勢は、主人公サイドは割とさらっとなキャラ。悪い?メインキャラの方がアクが強い…。

色々な元凶となるゾンビ研究者で、ゾンビ大好きなイカレたローガン博士。
同じく色々とやってくれる短慮で粗暴な軍人リーダー、ローズ大尉。
その他軍人、ある種ヤラレ役的なサブリーダー脳筋軍人も、実際は色々と考えた結果、考える事をやめた…んではないか的なこぼれ話?考察も見て唸ったりも。

登場「人物」が少ないのでお食事描写はそんなに多くないものの、ここぞとばかりの終盤の大盤振る舞いは圧巻。大量のゾンビ達のゆっくりワラワラ群がってくる感じはたまりません。単独では人間に馬鹿にされるようなノロノロゾンビに物量で負ける流れはやはりだーいすき♥

ゾンビ側のメインキャラとして、基地で博士に飼育されているゾンビ、バブ。ゾンビ3作目のチャレンジ的な学習するゾンビ。学習と刷り込みとは言え、博士との関係は微笑ましいというか、しっかり礼も借りも返す姿はカッコよい。飼育されたゾンビ、という装置としても1キャラクターとしても優秀だったと思うのでこの試み・キャラは好き。(この後のランドやサバイバルにも繋がりますし)

ゾンビ・バトル!アクション!とかは別の作品を見てもらって…
ゾンビと人間の織りなす陰なストーリーとしては、古いけど変わらず楽しめる作品と胸をはって言えます!大好き!

念願のブルーレイが出て、豪華吹き替えも付いたので字幕/吹替どちらも楽しめるようになったのはすごく嬉しかった。
博士の大塚芳忠さんは特にたまらないキャスティングで脳汁が出ます…
太郎丸

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