ひろ

ブロードウェイ・メロディーのひろのレビュー・感想・評価

2.6
メトロ・ゴールドウィン・メイヤーのミュージカル第一作目となった、ハリー・ボーモント監督による1929年のアメリカ映画

第2回アカデミー賞で作品賞を受賞した

1929年といったらサイレント映画からトーキー映画に移行していた時代だ。初期のトーキー映画はミュージカルが主流だった。ミュージカルといったらメトロ・ゴールドウィン・メイヤーだ。そんなMGMによるミュージカル第一作目で、世界初のトーキーによるミュージカル映画であり、トーキー映画初のオスカー受賞作となったのが、この「ブロードウェイ・メロディー」だ。

ドラマパートからレビューシーンという展開は、後のミュージカル映画に受け継がれていった王道パターンだ。正直、物語は安っぽいし古くさい。でも、それは当たり前。古くさくなるほど昔の作品なんだから。映像だって誉められたものじゃない。カメラワークは最悪だ。トーキー映画のカメラに誰も対応できていないのだ。

サイレント時代から活躍していたハンク役のベッシー・ラヴとクィニー役のアニタ・ペイジ。サイレント時代の俳優の多くは、トーキーに対応できずに消えていった。この2人は生き残った俳優だ。ただ、脇役が人材不足で素人ばかりなので、レビューシーンなど出来がひどい。まあそれも時代を感じるポイントだろう。

手放しに誉められるような作品ではないが、観ていて感じるものはある。トーキーという新しい時代を感じさせる雰囲気や、ミュージカル映画の歴史の1ページ目を観れるんだから贅沢だ。ここから始まったのだ。映画を観て歴史を感じるだなんて、素敵なことだと思いませんか?
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