よしまる

28日後...のよしまるのレビュー・感想・評価

28日後...(2002年製作の映画)
3.8
 「1作目を再鑑賞してから見逃していた2作目にチャレンジ」のコーナーです。

 今回はダニーボイルの初期の傑作、と名高い「28日後...」。
 …。この3点リーダーは一体なんなんでしょうね…。

 トレスポ大好きなボクですが、これを観たのは実はスラムドッグより後…。説明より画を優先しがちな彼にしては分かりやす過ぎてアレ?となった覚えがあったのだけれども、今回見返してみて、なるほど特に説明的なセリフが多いわけでもなく、ひとつひとつのセリフが熟考されていて、なるほどこれは脚本の勝利だったのか…と気づいたのです…(…はもうええてw)

 ざらついた画質とコマ落としでアニメーションのように撮る、シャレ乙なアンビエントミュージックに乗せて危機を煽る、おそらくこんな映画はそれまでには無かったはず。

 だけれどボクはこの映画を、ゾンビ映画と見せかけて家族愛や深層心理に迫った優れた人間ドラマ、として褒めたくはないのです。

 気分的にはむしろ、逆。そうしたドラマを芯に据えることで安心感を与えながら、既存のノシノシとやってくるゾンビ🧟‍♂️を否定し、シュールな無人の街や、スタイリッシュな攻防戦を描くことに心血を注いでいる。それは彼の中にアマチュアリズムというか、チャレンジ精神のようなものが根付いているからであり、それが結果として類稀なアクションロードムービーとして高い評価を得ることにつながったのではないでしょうか。冒頭の無人のロンドンなんぞひょっとしたらもうCGでも使わない限り永遠に生まれない画であり、そこだけでもカルト的とは言え歴史的価値のあるものだと思います。

 ただ、ポストクレジットのマルチエンディングはまったく不要。男なら一発で勝負しろ…。