クレミ

パッションのクレミのレビュー・感想・評価

パッション(2004年製作の映画)
4.0
まだ2本目ですけど、私、メルギブソン作品と相性がいいのかもしれません。

私財20億円を投入して作られたメルギブソン渾身の一本。内容は、イエスがユダに裏切られ十字架に磔にされるまでを描いたもので、切り取り方は劇団四季の『ジーザス・クライスト=スーパースター』にほぼほぼ近い。ただ、表現の仕方はめちゃくちゃショッキング。痛いのと血が苦手な方は絶対やめといた方がいいです。

メルギブソンの昼間の光と色味が好きで、不思議な透明感に惹きつけられる。流れゆく雲や、不気味で生々しい自然を捉えるカットが度々入ったり、目の動きを強調した撮り方をしていたり、激しく動くカメラで人間が迫り来る恐怖感を煽ったりするライド感みたいなものが、日本の監督でいうと塚本晋也の作風にちょっと似ている気がする。

キリスト教云々、宗教云々というより、人間の底に潜む狡さやおぞましさ、それに扇動されていく群衆の愚かさを見せつけられ、圧倒された。
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