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ウディ・アレンの影と霧のRのレビュー・感想・評価

ウディ・アレンの影と霧(1992年製作の映画)
3.6
ウディアレンの白黒ということでかなり期待して見たけど、あんま好みではなかったかな。舞台となる場所は、タイトルのごとく霧が覆う夜の街で、光が霧に分散するので夢の中のように幻想的。人の表情も見づらく、誰が近づいて来てるのか間近になるまで分からないくらい。それが常に微妙な不安感を煽る。街では連続殺人が起きている。犯人が特定できず、警察も役にたたないため、自警団のグループができあがる。彼らの一員ってことになってるのに、誰からも何も教えてもらってないクラインマンは、自分の役割が何なのか分からないまま、みんなに引っ張られ、配置に着くよう言われる。けど、配置がどこなのかも分からないので、ただウロウロするしかない、そうこうしてるうちに、ひとつまたひとつ殺人が…という感じのカフカ的ストーリーを軸に、サーカス団の夫婦、娼館の女たちなどなど、クラインマンのさまざまな人とのエンカウンターとボヤキを描いていく。まず、一番のポイントとなる映像ですが、かなり好みがわかれるであろうタッチ。個人的にはコントラストのパキッとしたモノクロが好みなので、本作のボヤッと俳優の顔もちゃんと見えない感じは見ててちょっとしんどかった、ってか眠くなった笑 テーマに沿った映像なんやろうけど。好きな人にはたまらんのでしょう。画の構図はすごく好きでしたよ。テーマとしては、ごく最近のやつも含め、今まで見たいろんなウディアレン映画の様々なテーマを凝縮して盛り込んでるのを、アレン君がいろんなところでしゃべくり散らすみたいな感じで、少々の眠気と共に一回見ただけだと、全体に脈絡があるよーな、ないよーな。何度も見てる人に実際ちゃんとした筋道があるのかきいてみたい。具体的にどんな話してたか書いときたい気もするけど、とっちらかってる感じのためあまり記憶に残ってないし、いつものヤツやなって感じっす。すみません投げやりで。ビックリするのは出演者の豪華さ! しかも公開当時はまだまだ無名だった現在の大スターたちが次々に出てくる! ファーゴのシワがちな、ふてくされた犬みたいなおっさんまでもが若くして出演してるし、マドンナ出てるし、あの人も!この人も! と驚き。あと、見せ方めっちゃベルイマンしてません? いろんなベルイマンを彷彿させるんやけど、気のせいやろか? あのサーカスの人たちの感じとか娼館の中の会話シーンとか。他にも東西の昔の映画をいろいろ思い出させるシーンがあって、どれくらい狙ってるのか確認したくなった。ただ、たとえばそういう昔の名作たちを全然見てなかったとして、本作だけを見て面白いと思えるかな?と考えると、難しい作品な気がしちゃいます。うーん。まぁまた気が向いたら見直してみます。くらいの感想です。
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