かずシネマ

ピアノ・レッスンのかずシネマのレビュー・感想・評価

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)
3.3
テーマ曲が良いよね、この作品は。
あと日本語空耳が有名やけど
「あんな所h、生きて通れねえ」
って、言ってるねぇw

全緘黙の女性。
喋る事が出来ない上に女性だし、この時代であれば周りに強く出なくてはやっていけなかったのかもしれないけど…それにしてもこの人は態度が悪過ぎるw
人に心を開かない云々じゃなく、単に人を蔑み過ぎ。これは周囲全てを敵だと認識している人間のそれだ。
自分が旦那なら作品開始30分くらいの時点で「性格に難あり」で三行半つきつけてる。本当にそうしていたら旦那、傷つけず、傷つかなくて済んだのにね…。
最初の場面では娘が船酔いで吐いているのに無視してるし、恋をしてからは娘の扱いがより酷くなってるし、やっぱり元々の性格に難ありやわ、この人は。
で、ママの態度が悪いから、娘も態度と言葉遣いが終わっている。

ピアノが無くては駄目なんだと理解してもらいたいなら、それなりの…ではなくても「人に対するごく普通の態度」がまずは必要ではないのか。
ピアノを放置されたから態度が悪くなった、なら分かるんやけど、その前から態度悪いやん。
親しき仲にも礼儀ありじゃなく「親しくもないし親しくなる気もないし礼儀もない」って様子。最悪過ぎん?w

そもそもピアノを持っていく置いていく問答は、嫁入り道具にピアノがあるから人手がいるって予め伝えておいたら済んだ話では。
というか、失礼だけどあんな船でよく運べたよ。

旦那は気の毒だった。ほんまに気の毒。
悪い人やないのに。
えらいババを引いてしまったな…。
あ、覗き見していた時はNTR趣味かと思ったけどw
あと、めっちゃ心配してたけど、机を鍵盤に見立てて弾く真似をするのって別に普通じゃね?w
ピアノ放置は「相手の言い分を理解する気も尊重する気も甚だないが、自分の事は尊重してほしい」という彼女の自己中心的な態度がそもそもの原因と思うけど。
その彼女からしたらこの旦那は、ピアノを置いて行く選択をした時点で余計に「コイツ無いわ」となったんやろな。
旦那、時差があってもとっととピアノを運んでたら良かったな。
…いや、ある意味運ばなくて正解か。。

泣き喚いていた時の娘は可哀想にも思ったけど、流石にヤベぇの分かるだろうに「ノーと言ってるわ」とか言ってしまうし、娘本人のそれまでの態度言動が返って来た様にも思えるな。
…でもやっぱりちょっと可哀想やな。
母ちゃんが酷いんだものな。毒親よな、この人。
メッセンジャーやらそうとするのとか、ほんまに酷い。酷いわ。
娘の事、何と思ってるんやろう。

で、肝心の2人が惹かれ合ったところがよく分からなかったんよな。
彼は、彼女の感情の入ったピアノの音色を聴いて、この人をもっと知りたいと思ったのだろうし。
そうやって自分の感情や内面に興味を示してくれたから、彼女は彼に段々と惹かれたのだろうし。
もしかしたらそんな事も超越して本能で惹かれ合ったのかもしれないし。
でもそれは、観ていて端々から感じとれた事ではなく「全編の流れを観て、おそらくこうだろうとアタリがついた」というだけの事で。
なんか…ハーヴェイ・カイテルがちょっかい出し始めた時に「なんのレッスンを始める気なんですかねぇ(ゲス顔)」としか思えなかったんよな。
土地と交換するって所は格好良かったんやけどな。
あんな早々に鍵盤の取り引きをせず、彼が彼女のピアノをただ聴くだけの日々がもっとあったら感想違ったと思う。
いまいち、ハマらなかった。

憑き物が落ちた感じというか、生まれ変わったというか、そういう比喩の最後の演出は良かったんやけどな。

どうでもええけど、ハーヴェイおぢさんは服着てた方が格好良いタイプやなw
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