このレビューはネタバレを含みます
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主人公の女勝手すぎるとか、みんな酷いよとか、雰囲気ばっかやんとか、言いたいことはよく分かる…!
でもごめん、私は大好きだ…!!
多分これはいい悪いをすっ飛ばして単純にむちゃくちゃ趣味が合うというやつなので、
監督とはぜひ固い握手を交わしたいし、この映画好き!って人とお友達になりたいです。
深い森、しめりけと泥、青白い顔の母娘、原住民、黒いドレス、歌声、薄暗い部屋、天使の羽、
そして芸術品のような一台のピアノと、暗いのに光る海。
ファンタジーではないけど、とてもとてもファンタジックな画面。
お話も、お伽噺か神話のようだなあと思って観ていました。
けっこうエロかったりグロかったり、はちゃめちゃなやつ。でもだいたい恋とか愛とかの話なのね。
森の中を旦那に追っかけられて引き倒されるシーンなんて、うわぁダフネみたいだーって思いました。
エイダが月桂樹の木に変身しちゃっても違和感ないぐらいの神話的雰囲気。
そもそもエイダと娘ちゃんが、とても人間とは思えない存在感なんですよね。
二人ならんでると、それこそ女神とか天使とか妖精とか、そんなものにしか見えない。
だから私は、
うっかり下界に生まれ落ちちゃった女神的なものが人間の男と恋をして、その「人間じゃなさ」ゆえに周囲と自分を掻き乱して傷つけまくり、最後には愛する人たちと幸せになるために人間として生まれ直すことを選んだ、
というお話だったのだなと捉えました。
島を出たあと、声を出す練習を始めたり、ピアノ教室の先生という社会的な仕事をするようになったりする、ということが、
そして何より彼女の表情が、とても人間らしくなっていて、
ああ、人間になったんだなあ、と。
横恋慕男萌えの人には大変おすすめするよ!!