ジェーン・カンピオン監督1993年作品。ホリー・ハンター主演。アカデミー賞の3部門やカンヌのパルム・ドールなど賞を受賞しまくった作品。文学的で芸術性が高いのはいいがエロスがメインで、このエロスの入れ方かなり苦手だった。
19世紀のニュージーランドを舞台に、原住民マオリ族に同化した一人の男性との激しい愛を描いた恋愛映画と言えば聞こえはいいが、主人公の演技は凄いものの、そもそも美化された不倫で子供の事なんて全く考えていないし、何処にも共感出来ないだけでなく正直観ていて苛々してしまって・・・・。
浜辺やジャングルの中の荒廃した家屋に置かれた壊れかけのピアノ。そこにドレスを着て姿勢正しくピアノに向かう主人公エイダの姿は美しく抜群の映像美。このあり得ない世界が美しいのは分かる。どうせならもっと綺麗なファンタジーでも観たいような気がした。大人向けであっても明るく毒の少ないファンタジーでいい様な気がして・・・・。一応原作が知りたいようにも感じた。面白美しい映像満載だけど好きにはなれない。
マイケル・ナイマンの清涼なメロディは直ぐに分かるほど耳馴染みのあるもので素晴らしい。しかし清涼ものと不倫ものが合っていない気もする。まあ女性監督というのは頷ける。凄く完成度が高くて観応えのある作品には違いはないとも思う。
