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はだしのゲン2の群青のレビュー・感想・評価

はだしのゲン2(1986年製作の映画)
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前作は原爆の恐ろしさに重きを置いて描いていたが、今作は原爆投下後の荒れ果てた広島で生きて行く人々の力強さが中心。

登場人物があれから3年と言っているのでそうなのだろう。ゲンはすっかりたくましくなってやんちゃな男とも対等に向かい合う。さらに肌のただれた女の子とも対等に向かい合いすぎて相手の心の傷も消しとばしたりしている。いや、すげえわ。

それでも困難は訪れる。お母さんを背負った時のあまりの軽さに心を痛めるゲン。父も姉も弟も生まれたばかりの妹も亡くしたゲンにはあまりにも無残な現実。しかし最終的には父から教わった麦のことを思い出しながら、それでも生きていこうと決心する。悔しいという気持ちはゲンをより強くするのだ。

麦は踏まれても踏まれてもまっすぐ伸びる。中沢啓治さんはもう亡くなってしまったが僕らは麦のように生きているだろうか?しゃきっとせーよ、そうしたら大丈夫じゃけぇ。という声が聞こえてくるようだ。
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