NONAME

スネーク・フライトのNONAMEのレビュー・感想・評価

スネーク・フライト(2006年製作の映画)
3.4
デヴィッド・R・エリス監督は素晴らしい。蛇の大群が 飛行機の中で乗客を襲う…………ただそれだけ。呆れた。もちろん その前後にもいろいろあるのだが もうどうでもいい感じ。とても適当。たが それでいい。今更パニック映画の手法なんてネタが消費尽くされた題材で デタラメかつ健全な【ゲテモノ映画】そのものを簡単に撮ってしまったエリス監督には 拍手を送りたい。そう 『デッドコースター』の頃から素晴らしいのである。旅客機パニックと動物パニックの融合。あの70年代でもなかった見事なアイディアであり さらにサミュエル・L・ジャクソン主演ということでブラックプロイテーションまでミックスされている!まさに【B級映画】のスタンダードを目指し 見事に実現したのである。それは感動的(あまり好きじゃない言葉だが)ですらある。当時【B級ゲテモノ映画】を掘り下げていた僕はこういう映画を待っていた。もはや元ネタだの引用だの小賢しいものはいらない。ただひたすら【B級映画】を貫き通すという真面目な姿勢。エリス監督にはその意気込みを感じる。
話題はそれるが 今なぜ人々は映画に安易な感動を求めるのか?安易な感動=安易な共感による国民のコントロールを目論む現体制に加担するようなメディアに そんな疑問など まるで理解できないだろう。すべてが経済中心の全体社会。人間の幸福を奪っているすべての元凶だ。目に見えない方法によって僕らは自由を奪われている。それに気づかないよう 安倍が 小池が提供するような「感動」などクソでも食って死ね。騙されるな。この“レビュー”を見た 心ある映画好きの方は『スネーク・フライト』を急いで見ろ。アホテレビ局の経済活動によって作られた安易な日本映画を疑え。その押し付けがましい程度の低いヒューマニズムの正体を見極めろ。これは確実に面白いにもかかわらず アホで 意欲的で 独創的な映画が死の状態であるのは事実だ。こういう映画を絶やしてはいけない。どんなにこの作品がくだらない映画であったとしても それを支持することは立派に政治的な表明になると思う。
そんな理由から 70〜80年代【ゲテモノ映画】の魂を受け継ぐ00年代以降の作品 『キャビン』『アフターショック』『ピラニア3D』も紹介する。おヒマな方は連休にぜひ。“レビュー”の内容は同じです。
NONAME

NONAME