Lewis

海を飛ぶ夢のLewisのレビュー・感想・評価

海を飛ぶ夢(2004年製作の映画)
4.5
実話が好きで、とポロっと出た言葉に対しそれならと紹介された作品。結果、涙止まらず。出会わせてくれたことに感謝した。

28年前に海の事故で首から下が不随になり、「依存した人生」を義務的に継続してきたラモン・サンペドロ。しかし、これ以上は耐えられないと尊厳死を望む。

主介護者で、理解者の義姉マヌエラ。家長であり、尊厳死を反対する兄。手足となり執筆や小間使い役になる無邪気な甥のハビ。息子を嘆き哀愁漂うお爺さん。

そして、ラモンを男女として愛する相反する二人、フレアとロサ。

ラモンを愛する者たちの中でも意見は分かれ、それらの態度や言葉はラモンを乱し、傷つけたり、あるいは奮い立たせ、希望を与えたりする。

しかし、その希望というのは、生き続ける希望では無い。ラモンは一貫して「甘美なる死」を求める。そこに繋がるかどうか、のみが彼を救う。

この物語は重いテーマでありながら、生き生きとしたシーンが多く映し出されていて、暗くなりすぎない。むしろ、死をテーマとするならば、生を映しだすことは必須であろう。

ラモンの家族はみないい味。健康的で素直な心を持ち、愛おしい。誰も間違っていない。

これはラモンの最期の物語であり、家族の物語であり、ラブストーリーである。そして、我々一人ひとりの物語であると思う。