【飛行夢】
生存権。人は生きる権利を有している。
ならば逆に『死を選ぶ権利』はどうだろう。
尊厳死が騒がれてから数年が経つが、この作品は2004年の作品。
実話に基づく物語。
25歳の時に4肢麻酔となり26年間寝たきりになった主人公。
彼は尊厳死を決断する。
家族は彼の死を望んでいない。
父も兄も、兄の嫁も甥っ子も彼を支え続けてきた。
何が正解なのかと悩む人々。
神父との会話がものすごいよかった。
若干主人公のどっちつかずな恋愛事情がちょっと気にくわなかったけど。
ハビエル・バルデムが渾身の演技をしていた。この老け方も特殊メイクですかね。
『死んだらもう会えないんだぞ。』という兄の言葉もささる。
この体になったことないし、彼の本当の気持ちはわからない。
車椅子は彼の行動を助けるものじゃなく、少しだけ残された自由にしがみついているようだという心の叫びが痛かった。
2017.12.3