えってぃ

海を飛ぶ夢のえってぃのレビュー・感想・評価

海を飛ぶ夢(2004年製作の映画)
4.0
2020年86作目

尊厳死について考える

最近、安楽死や尊厳死について考える機会があった。そんな時この映画と出会った。

生きることは権利だ義務じゃない!
この言葉が強烈に頭に残ってる。楽しみや尊厳とは程遠い生活を送り、これからもベッドで外を見てる、誰かの役にも立たずにそれがずっーーと続く。確かに恐ろしい。
消えてしまいたいと思う。金は無いけど強盗殺人でも起きないかなと。

ラモンの気持ちっていうのは本人にならないと分からない苦しみなんだと思う。出口の見えないトンネルのようにもがき抜け出せない。だからせめて、このトンネルを自らぶっ壊して死ぬ日を自作してでも残された時間を誇らしく、自分らしく生きたいと願ったんだと思う。

尊厳死となるとどうしても「現実から逃げたいから死ぬ」に目が行ってたけど違う。「逃げられない現実を受け止めて生きたいから死ぬ」なんだと思う。生きることにフォーカスされた言葉ではないだろうか。

話は派生しますが、日本は長寿の国です。
でもお年寄りがずっと寝たきりで胃瘻やチューブだらけになってもそれは尊厳ある生であると言えるのでしょうか。
長生きなんてするもんじゃない。体が言う事をきかなくなって、周りがどんどん死んでいって、家も家族はいるけど孤独だっていうお年寄りは沢山いるし、増えます。

日本ももしかしたら尊厳死が合法になる年が来るかもしれませんが、それまでにどう自分が生きていきたいか、自分らしさとはなにかを探す必要があるのかもしれません。
えってぃ

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