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祇園の姉妹の324のレビュー・感想・評価

祇園の姉妹(1936年製作の映画)
4.7
痛哭、悲憤。今更言うまでもなく撮影が良すぎる。バチバチに硬質な画。ロケセットなのか置屋が最高。木綿問屋のおやじがエモい。
身勝手かつ愚かな男に対して、姉は寛容さを、妹は強かさを持っている。しかし、妹は身勝手のカウンターを喰らい、男の経済力や腕力に敗北。経済的安定も結婚やパトロンの確保など男に依存する形でしか獲得できないところに、おもちゃの台詞が刺さる。またおもちゃっていう名前がもう。その点、姉の梅吉はそこそこの世間体は気にしつつ、破産した妻子持ちの木綿問屋のおやじと過ごせれば精神的な充足感はある程度得られるよう。芸妓という仕事と生き方のマッチング。叙情的職業選択映画。
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