Zhivago

祇園の姉妹のZhivagoのレビュー・感想・評価

祇園の姉妹(1936年製作の映画)
4.2
やっと観れた。溝口監督はやっぱり現代もの(同時代もの)が好きだ。時代ものにさえ同時代的なテーマを入れ込んでしまうようなリアリストなのだから、同時代もののほうが赤裸々にその本性が剥き出しになっていてその直球勝負が好感がもてるということか。
監督の生い立ちがなせる技なのか性なのか、花柳界・花街を描かせたら鬼気迫るものがある。赤線地帯しかり。
物陰から覗く写実的なカメラワークが、一般ピープルには見ることもない祇園の裏の世界を第三者的に野次馬的に描き出す。この覗いているという感覚が妙な高揚感と背徳感の源に違いない。

本格的な京言葉のせいなのか、録音状態のせいなのか、セリフが聞き取りづらいところがあった。

今見る作品には欠落部分があるという。なんとも残念なことだ。
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