男の争いの作品情報・感想・評価

「男の争い」に投稿された感想・評価

赤狩りでハリウッドを追われたジュールズ・ダッシンがパリを舞台に不毛な男たちの争いを描く傑作ノワール。
劇中のキャバレーでダンサーの女が印象的に歌う”RIFIFI”はトラブルとかの意味らしく、邦題は原題「du RiFiFi chez les Hommes」のほぼ直訳か…

刑務所帰りの主人公が例によってまたぞろ昔の仲間と宝石店襲撃を計画する。
仲間とその準備をするシーンは楽しく、それを踏まえたこちらの予想を超えてくる約30分間全くセリフなしの襲撃シーンのサスペンスと驚きは数あるこの種の作品の中でも秀逸。

主人公を演じたジャン・セルヴェは有名な俳優ではないが、落ちぶれたもののいまだ矜持を持った渋い男が見事に嵌っている。

「街の野獣」のロンドンも素晴らしかったが、この作品の雨に濡れたパリの舗道や街並みもとても寂しく美しくて素晴らしかった。
問答無用の無音シーン!ラストはフレンチコネクションにヒントを与えたか?
DVDが高くてゲトれずvhsにて。
AS

ASの感想・評価

4.4
2016.4.17
大傑作なのに、TSUTAYAにレンタルされてない、テレビで放映されてない、ネットで配信されてないという理由で、全く日の目を見ない作品というは結構ある。

この映画「男の争い」もそんな一本。随分昔に紀伊國屋書店からDVDが発売されたが、今やプレミアがついて、中古でも一万円以上もする。

赤狩りでハリウッドを追われたジュールス・ダッシン監督がフランスで撮った第一級品のフィルム・ノワール。

久々にシャバに舞い戻った老ギャングが、昔の仲間を集って警戒厳重な宝石店を襲撃し、まんまと二億フランの宝石を手にする。
が、仲間の一人のミスから、敵対するギャングたちに嗅ぎ付けられ、宝石をめぐっての男たちの壮絶な抗争がはじまる…。

似たようなフランス産犯罪映画で、ジャン・ギャバン主演「現金(ゲンナマ)に手を出すな」という有名な作品がある。文字通り金塊をめぐってのギャングの抗争を描いた作品だが、桁違いに「男の争い」の方が面白い。

先ず「現金に~」と違って、ちゃんと宝石強奪の場面を描いている。しかもその間、30分近くも全くセリフがないのだ!ちょっとこれほどまで緊迫感のある演出は他にしりません。

その強奪方法も面白い。最新鋭の警報器を如何に解除するのか、これがまたシンプルなんだけどまさにアッと驚くような方法である。

また、主役の老ギャングを演じたジャン・セルヴェがとにかく渋い。眼光鋭くちょっと近寄りがたい風貌だが、仁義を重んじる昔かたぎのギャングを魅力的に演じている。

ちなみに劇中、金庫破りの名人というイタリア人が登場する。
後半のストーリーのキーパーソンになるキャラなのだが、演じているのは監督のジュールス・ダッシン。役者経験のある人だけあってこちらも名演!
yuki

yukiの感想・評価

4.3
無音のケイパーシーンが凄すぎた。マフィアが滅びる過程で、その悪くない人間性が垣間見えるのが好き。
こういう映画をケイパーものというらしい。知らなんだ。
チームで犯罪遂行するやつ。

無言の強奪劇は確かに息を飲むものがある。
やっぱりひたすら穴堀り続けるのは、『大脱走』を代表例として問答無用でワクワクするな。

ラストの逃避行の意識朦朧とした感じ。
夜行バスで酔いかけてめちゃくちゃしんどかったときの感覚を思い出してしまった。しんどすぎ。
ダッシンの中では断トツに面白いケイパー・ムービー。

このレビューはネタバレを含みます

 手に汗握る男たちの頭脳戦と銃撃戦。ケイパーもののスリルとギャング・マフィア抗争劇の悲哀を一本の映画で楽しめる骨太なノワール映画の大傑作。
 序盤は、五年間ムショにいたギャング・トニー、若い妻子を持つ青年・ジョー、ユーモラスな顔の広い中年男・マリオ、マリオの知り合いで金庫破りのプロ・セザールという四人の男たちが、金庫の中の宝石を強奪する物語で、その強奪シーンが圧巻のできであった。ほぼ台詞なしの作業音のみの無駄のない、削ぎ落としたシーン。ジャック・ベッケル『穴』の脱獄の場面を彷彿とさせる沈黙の作業としての犯罪の持つ緊迫感。淡々と物事をこなす事務的な快楽と大きな音でばれないかという憂慮、刻々と迫る時間への焦慮。床に穴を開け、穴に縄を取っ手に括りつけた開いた傘を吊して、セメントの粉や石片が落下して音を立てないように、地道に傘に溜めてじわじわと穴を広げてゆくところなどのように、細かな描写も素晴らしい。
 宝石を盗んだ後半からは、トニーの過去の女であるルイーズ(トニーが彼女を裸にひんむいて鞭で折檻したことが暗に示される場面もえげつなくて凄い!)の交際相手であるグルテールというギャングが、嗅覚鋭くかぎつけて、一味に襲いかかってきて、抗争劇となる。幼い子どもを人質にとられたジョーが、父親だからこそ余計な行動をとってしまいラストの悲劇へと突き進んでしまう展開が非常に良いが、そこにはトニーの妻の台詞でも僅かに表される、ギャングとは弱い存在なのだ(目先の欲とドンパチ、戦争ごっこに取り憑かれているから)、というこの映画のもう一つのテーマが透けて見えてくるようであった。
寂々兵

寂々兵の感想・評価

3.8
仏ケイパー映画の最高傑作では?メルヴィル贔屓の自分もコレには白旗振って降伏せざるを得ない。ジャン・セルヴェ気高すぎ、無言の30分凄すぎ、次から次へと出てくる小道具最高すぎ(あとイーダの乳首透けすぎ)。ところで公開当時のキネ旬によるとこの映画もベッケルの『現金に手を出すな』も男性より女性の方が高く評価していたらしいが、これはどういうこっちゃ?非常に興味深い。
Wednesday

Wednesdayの感想・評価

4.0
白と黒のコントラストがすごかった。
電気を消した時の顔がぼわっと白く浮かんだり。

30分間セリフなしのシーンはすごい。

ラストはゲキ渋。

ロマンノワールはいいね。
現金に手を出すな、穴、男の争い!
ここからシネマノワールが来るのかとおもうとうきうきした。

正装して宝石店を襲うっていうこはメルヴィルの仁義に受け継がれてるらしいのでそちらも見たい。
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