ミチ

潜水服は蝶の夢を見るのミチのレビュー・感想・評価

潜水服は蝶の夢を見る(2007年製作の映画)
4.4
ある日突然体の自由を奪われる。
手も動かない。足も動かない。
残されたのは左目と想像力と記憶だけ。

もし自分がそんなふうになってしまったら、絶望するだろう。
死にたいと思うだろう。

でも叫ぶことも出来ない。
死ぬことだって、出来ない。

この作品の大半は、身体の動かなくなった主人公の目線で描かれている。

観客は、作品が始まり終わるまでの2時間、彼自身になる。

ぼやけた視界、動かない身体、塞がれる右目。

監督であるジュリアン・シュナーベルは、彼になりきり、20万回の瞬きで綴った彼の思いをそのまま伝えた。

だからこそ押しつけがましい感動がない。

とても悲しく絶望的な状況のはずなのに、
観終わったときには不思議な爽快感があった。