ニック

潜水服は蝶の夢を見るのニックのレビュー・感想・評価

潜水服は蝶の夢を見る(2007年製作の映画)
3.8
全身麻痺、しかし僕は瞬きで何処へでも羽ばたいていける。

何不自由なく雑誌編集者として人生を謳歌していた彼は前触れもなく突然全身麻痺となってしまう。

前半何のBGMもなく淡々と彼の心の声と語りかけてくる医者の言葉のみで進んでいく。

静かで絶望的な永遠とも感じられる閉塞した世界と時間。

そこからリハビリを経て、家族や担当医、友人らと交流していく中で希望を取り戻し、閉塞した世界が再び広がり物語も静かだがドラマチックに展開していく。

体は動かなくなったが衰えないモノがある、それは想像力と記憶力。

唯一残された瞬きによって言葉を交わし、本を執筆していく。

割とエロい事も考えているのには共感する。

友人役の黒人のオッサン、ゴーストドッグのアイス売りのオッサンですね。

今回は言葉の共通言語を持たない相手ではなく、言葉を話せなくなってしまった主人公との交流。

相変わらず人のよさが滲み出ている演技がよい。

実話というのが一番の驚き。

そこにある幸せを、近くにいる人を大切にしていきたい。
ニック

ニック