赤足

潜水服は蝶の夢を見るの赤足のレビュー・感想・評価

潜水服は蝶の夢を見る(2007年製作の映画)
3.7
昏睡状態から目覚めたものの、左目以外を動かすことができない雑誌編集長ジャン=ドミニク・ボビー意識はハッキリしているにもかかわらず言葉を発することができない彼に、言語療法士は瞬きでコミュニケーションを取る方法を教える。

冒頭から主人公の目線でのカメラワークで物語は始まる。瞬きが主人公の言葉であり唯一の意思を表せる方法手段。 自分が同じ状態になったのならどうするであろうかと、問われているかのような絶望感であった。

主人公ジャン、一度は落ち込むものの生きる事を諦めない、逆境に立たされても、彼には想像力と記憶がまだ残されており、それを使い本を書き出版するという目標も持ったことで彼の生きる目的、第2の物語はスタートした。そしてそれを手助けする家族や友人達等もジャンの力となり血となり肉にとなり彼の一部となっていくのだ。どんな状況下になったとしても、家族は家族なんだと、愛してくれるものだと感じさせられた。

潜水服を着た様な状態のジャンだが、想像力と記憶が彼を蝶のように自由にさせた事は間違いなく事実であった。この物語は、闘病物や感動を押し売りする様な話ではなく、生きるという事を素直に感じさせ、教えてくれる作品であった。更に実話という事にも驚かされるであろう!
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