みかん

潜水服は蝶の夢を見るのみかんのレビュー・感想・評価

潜水服は蝶の夢を見る(2007年製作の映画)
3.8
世界的有名ファッション雑誌『ELLE』の編集長として活躍し、華やかに人生を送っていた主人公ジャン。ある日突然脳出血で昏睡状態に。目覚めると、左目のまぶた以外動かせない全身麻痺状態に。
20万回のまばたきで自伝を綴ったという、実話に基づく感動のヒューマンドラマ。

序盤のカメラの視点は主人公の目線から。
医師や看護師から、衝撃の事実やこれからの入院生活について告げられていく時はまるで自分に言われてるような気分になり、もし自分も昏睡状態からぼんやり目覚めたらこんな風になるのかな、、とリアルな擬似体験が出来ます。

編集長として生き生き仕事をしていた。
高齢で車椅子生活の父の世話をしていた。
事実婚の妻や子供と休日を過ごしていた。

そんな日常が崩れ去り、今後回復する見込みも無い。

唯一出来るのは、言語療法士が編み出したまばたきでのコミュニケーション。
アルファベットを読み上げて、自分の話したいアルファベットがきたら2回まばたきをして、それを言語療法士が書きとめる。
これを繰り返して単語や文を完成させていく。

身体は海の底に潜った潜水服の中のように閉じ込められてしまっていても、意識・思い出・想像力は、サナギの中から飛び立ち、どこまでも自由に世界を舞い飛ぶ蝶のように。

希望とか幸せとかは、やはり本人の心次第なんだな等々、深く考えさせられました。

結末も静かで深い余韻が残りました。。。


★パリでファッション誌の編集長として活躍していたジャン。
ある日子供と愛車のジャガーで出かけている途中脳出血で倒れ、目覚めると病院で『ロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)』になったと告げられる。

意識と聴覚はあるものの、左目のまぶた以外は麻痺状態で、こんな状態で生き続けなければならないと絶望を味わうが、まばたきでのコミュニケーションで自伝を書くことを決意。少しずつ生きる希望を取り戻していく、、。
みかん

みかん