キッチー

フレンチ・カンカンのキッチーのレビュー・感想・評価

フレンチ・カンカン(1954年製作の映画)
4.8
ずっと観たかったジャン・ルノアール監督のフレンチカンカン、ようやく借りることができたので鑑賞。
テクノカラーで撮られた味がある映像。色彩豊かで芸術的で素敵でした。

踊りだけのミュージカルだと思っていましたが、きちんとしたストーリーもあり、スターを集めるところから、ムーラン・ルージュを開業するまでの右往左往ぶりをコメディにしてあり、楽しくて面白かったです。
踊りはもちろんパントマイムや1900年代のシャンソン(エディット・ピアフも出ています)もあり、見所満載。もちろん役者の衣装もサイコーです。
フレンチカンカンはレッスンシーンも良かったけど、本番の登場シーンからラストまでの盛り上がりといったら...大興奮です!
オーケストラが奏でる「天国と地獄」とか、もう全員がノリノリでした。

ヒロインのニニ役、フランソワーズ・アルヌールは可愛らしいけど、洗濯屋で働いていたところを踊り子にスカウトされ、スターになっていく娘を多彩な才能で見事に演じていました。ジャン・ギャバンは初見でしたが、パリの興行主、ダングラール役で才能ある女性をスカウトしまくるので少し信用出来ない感じでしたが、拗ねたニニに対して啖呵を切ったところは名シーンでした。大切なのは客を楽しませることだ、という台詞...この映画のテーマでもありますよね。

冒頭のタイトルロールでロートレックの絵を使うなど、細部にもこだわり、とても満足度の高い作品でした。最後に風車のあるムーラン・ルージュの前にいるお辞儀している小さな人影は監督だそうです、遊び心がありますね。
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