喜連川風連

炎の戦線 エル・アラメインの喜連川風連のレビュー・感想・評価

4.0
WWⅡのアフリカ戦線をイタリア視点でみた映画。

アフリカ戦線といえば、ロンメル将軍の名が真っ先にあがるだろう。

英雄ロンメル将軍。しかし本当の英雄とはなんだろうか?実際に戦うのは前線の兵士たちだ。国家にとって英雄は国民統合において都合のいい存在かもしれない。

実際、英雄の他に、様々な無名戦士がいる。

時代考証が捕虜と生き残った兵のインタビューを元にしているため、正確で淡々と進んでいく。余計なものがない。

BGMやその他も含めて、英雄的描写もほとんど無い。邦画が陥りがちなお涙頂戴の恋愛劇もない。

そこにあるのは生々しい生か、死か、

英雄とはそれを後世の人や第三者が美化しているだけで、我々はそれを享受しているに過ぎない。

映画内で主人公も語っていたが、実際の戦争において、英雄は存在しない。いるとすれば、死んだ者皆が英雄だ。

吹き替え版に緊張感が無かったのがもったない。
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