ニトー

トラ・トラ・トラ!のニトーのレビュー・感想・評価

トラ・トラ・トラ!(1970年製作の映画)
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当事者でない者の視点から見た感想なので、当時この作品を劇場で観た人とはかなり異なっていると思う。

当事者でないというのは、もちろん戦争を体験していないということでもあるし、それ以前に、この真珠湾攻撃直前およびまさにその瞬間を描いた映画が封切られた時代を知らないということでもある。つまり、その時代の名優たちを知らない(例外を除いて)ということは、とりもなおさず全ての俳優が均質化されることであり(そもそもの作劇方法として俳優の個性を前面に押し出すタイプの映画ではないこともある)、それゆえに真珠湾攻撃という状況に至るまでの歯車としての個ーー大流に抗おうとも結局は巻き込まれるしかない無力な個としての軍人を描いている者であると自分は受け取った。

劇中では様々な人物が様々な思惑を持って行動し、ある者は真珠湾攻撃を避けようとすらしている。そしてどうにもならず嚆矢として真珠湾の攻撃が開始され凄まじい特撮によって爆発が描かれ第二次世界大戦へと歴史を辿ることになっていく。

あるいは、状況も情勢も大幅に異なっているとはいえ、スタニスラフ・ペトロフが核発射に承認した場合とも考えることができる。や、単純な比較ができないことは大前提としてあるわけですが。
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