カール

トラ・トラ・トラ!のカールのレビュー・感想・評価

トラ・トラ・トラ!(1970年製作の映画)
3.5
1941年12月8日の日本軍による真珠湾攻撃を題材とした映画。アメリカと日本側の両方の視点を交互に描くことを主観としていた。中央と前線、陸軍と海軍との隔たり、またその中でも司令を出す側と出される側との相違などが描かれていた。しかし、天皇陛下に対する敬意や覚悟みたいなものは、尊敬語や謙譲語を翻訳できない英語では到底理解できないだろうと感じた。
天皇陛下が戦争に反対する意思を表されたて、しばらくして、近衛文麿は総辞職して、東条英機内閣が発足する。政府のトップの方針が変わったことを映画に含めていないことが残念だった。
同じような内容で 山本五十六 という映画を見たことがある。その映画では、アメリカに対する最後通牒を日本人として一種の大和魂のように、解釈していたと記憶している。だが、今回の映画では、山本自身で見てきた、アメリカの脅威というものに対する戦略的な考えが、この最後通牒には内包していると見て取れた。そういった映画の中での考えの相違も見出せた。
離陸のシーンや急襲のシーンは迫力があった。しかし、空中戦のシーンにおいて、機内での会話や連携の内容が一切なかった。これが意図してるものかはわからないが、残念だった。
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