メル

インドシナのメルのレビュー・感想・評価

インドシナ(1992年製作の映画)
4.2
1930年代 フランスに植民地支配されていたインドシナ (今のベトナム、辺り) での話。

現地で育ったフランス人エリアーヌ(c・ドヌーヴ)は事故で亡くなった現地の友人夫婦の娘カミーユを引き取り育て、彼らのゴム園も管理していた。

しかし国内では共産党が国の独立を願い決起し、反植民地暴動が起こる。

1954年 のジュネーブ会談でベトナムが南北に分かれながらも独立するまでの長い間、エリアーヌとカミーユを中心にフランス海軍大尉や警察長官、カミーユの許婚でもあり王朝一族で共産党員のタンが時代の流れの中でどう生き抜いたか。

やや長めの作品だがアジアの風景の中、ドヌーヴの見事なまでに美しい姿が際立っていて時間を忘れて見入ってしまう。

人身売買や虐げられた人々の描写もあり、違った意味でも印象深い映像があるが、エリアーヌとカミーユがダンスをするシーンは2人にとっての古き良き時代を思わせるワンシーンでもある。

フランス映画だという事がこの作品の魅力の一つだと思う。

人は死に、新しい命が生まれ新しい時代が始まっても、それらに関係無く時間は絶えず流れてゆく…という事を実感してしまう作品。
メル

メル