踊る猫

シルビアのいる街での踊る猫のレビュー・感想・評価

シルビアのいる街で(2007年製作の映画)
4.2
ビクトル・エリセをして「現代スペインで最も優れた映画作家」と言わしめた監督の作品ということで興味を惹かれて観てみた。これが地味に(と言うと失礼だけれど)面白い。プロットを相当に雑に整理してしまうと街中で見掛けた女性を追い掛けてストーカーのように後を追い、そしていざ話してみたら全然人違いだった男の話……ということになるのだけれど、スペインの陽光に照らされたカフェテリアで談笑する女性たち(この映画には男は原則として主人公しか登場しない。あとは物乞いとか)の姿が後を引くと言ってもいいぐらい印象に残るのだ。もちろんシルビア役を演じたピラール・ロペス・デ・アジャラの魅力も忘れ難い。大っぴらに薦める気はないが、「大作」の「感動」に辟易している方にはお薦めだと思う。
踊る猫

踊る猫