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タブウのsonozyのレビュー・感想・評価

タブウ(1931年製作の映画)
4.0
ドイツのサイレントの巨匠 F.W.ムルナウの遺作。
南太平洋ポリネシア諸島を舞台に、現地のポリネシア人(素人)を使ったドキュメンタリー風物語。

美しい楽園、ボラボラの小島。
美しい娘レリに恋した青年マタヒ。
ある日、神の使者的な長老ヒトゥがやって来て、レリが神に仕える聖なる乙女に選ばれ、男性はリラとの接近・接触を禁ずるというタブーを告げられる。

リラの親・親族や村人は祝典で盛り上がるが、悲しみに暮れるレリとマタヒ。
その夜、マタヒはタブーを破り、レリを連れ小舟で逃げ出す。

力尽きて着いたのは白人と中国人が商売を営む島。
マタヒは得意の素潜りで真珠貝を採り、一躍村の注目の的となり、飲めや踊れの祝祭状態に。
酒をじゃんじゃん村人に振る舞うマタヒだが、酒場の中国人に中国語で何か書かれた書類にサインをさせられている。

マタヒの後を追って真珠貝を採ろうと住民の男が潜るが、サメに襲われ、その場所は素潜り禁止となる。

幸せを手に入れたかに見えた2人だが、長老ヒトゥが追ってきており「3日のうちに戻らなければマタヒは殺される」と書かれた葉がレリの元に投げ込まれる。
仕方なく、取っておいた金で島に戻る船代を払いに行くマタヒだが、祝祭の時にさせられたサインは3200フランもの酒代のツケだった・・・

金を払うにはまた真珠貝を採るしかないと、サメが潜む海へ一人船を出すマタヒ。
一方、レリはマタヒへの最後の手紙を書き、迎えに来た長老の船に乗り込む。
二人の行方はいかに・・・

長老ヒトゥが痩せた爺さんなんですが、神の使者にしては最後まで怖すぎるキャラだったのが印象的。笑;

昔の映像がAIでカラー化される時代なので、本作もカラー化で美しい海と彼らを見てみたい。
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