キラリ

バトル・ロワイアルのキラリのレビュー・感想・評価

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)
4.4
“今日は皆さんにちょっと殺し合いをしてもらいます。”

デスゲームブームの草分け的存在である本作。「中学生が同級生同士で殺し合う」というなんとも残虐でショッキングな題材であるが故に、公開当時は物議を醸した映画だったようだけど、2000年というメモリアルイヤーに封切りされたという特別感もあいまって、間違いなく邦画界におけるターニングポイントの一つになった作品だと思う。数年に1回無性に観返したくなるのだけれど、何度も観ても本当に面白い。

キタノの悲哀、桐山のカリスマ性、光子の妖艶さ、千草のクールさ、川田の過去など・・・サブキャラの魅力が光っていて、さらに全体的にテンポも良く、死に方のバリエーションも豊富なので、とにかく観ていて飽きないし、クライマックスまでの2時間があっという間だった。それに、極限状態における人間の醜さや愚かさや温かさがしっかり描かれていて、ただのグロテスクな作品で終わっていないメッセージ性の強い映画になっているところも素晴らしい。

そして、キャスティングが本当に見事で、特に北野武は絶対に代えがきかないというほどのハマリ役だったと思うし、安藤政信と柴咲コウと栗山千明と山本太郎の存在感も◎。もちろん主演の藤原竜也と前田亜季の演技も非常に素晴らしくて、全体的にこれ以上ないほどの豪華キャスティングだったと思う。

きっとこの先も何度か繰り返し観ることになるであろう邦画の傑作の一つ。
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