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バトル・ロワイアルの8bitのレビュー・感想・評価

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)
4.0
原作小説が出版されたとき、もの凄い話題になって、毎晩震えながら読んでた。
クラスメイトが惨殺されてゆく様子がひとりひとり丁寧に、しかも淡々と描かれていて恐いんだ。
設定とかあまりにも荒唐無稽だし、いまじゃ〝中二病www〟とか〝陰キャの妄想乙www〟とか揶揄されそうな内容だけど、当時は衝撃的だった。

少年犯罪の深刻化が問題になっていた時勢だけに、映画化されたときも内容や描写の是非をめぐって国会にまで取り上げられて、深作監督本人も乗り込んでいたなあ…。
いま思えば、レイティングというものを初めて意識するきっかけだったと思う。
映画は初日に観に行った。田舎の劇場にもかかわらず超満員だった。
映画にも社会的な影響を及ぼす力があった頃だ。

淡々とした原作に比べて、良くも悪くも格段にエモく、ドラマチックになっていた。
クラスメイトひとりひとりの殺戮描写はかなり省略されていて、設定やストーリー展開も少し変わっていた。
原作を忠実に映画化したら倍以上の時間がかかるだろうし、衝撃的な題材を映像化するにはある程度スピード感が必要だと判断には納得。
なによりキャスティングが神懸かり的にハマっていた。七原、中川、川田、桐山、相馬、千草、三村、杉村といったメインキャラはみんな原作のイメージぴったりで感動した。
そしてなんと言っても、原作との一番の変更点である教師〝キタノ〟が最高に恐かった。最後の絵とか本当に気持ち悪い。
原作のイメージは間違いなく武田鉄矢(の金八)なんだけど、この恐さや気持ち悪さは絶対に出せなかった気がする。

バイオレンスシーンはいま観ると、もうちょっとなんとかならなかったのかなあと思わないでもないけど、
制服やブラウスが弾痕で血に染まってゆくところなんかはやっぱり衝撃的だし、なにより容赦のなさに圧倒される。
原作でも一番エグかった灯台のシーンが完全再現されていて、ほんとうに嫌なシーンになっていて最悪だった笑。

個人的に好きなキャラは意外と杉村だったりする。
ある意味最強の武器を持っていながら戦おうとせず、自分の想いを伝えに行くっていう青臭いけど一途なところが共感できたなー。
あと名前忘れちゃったけど、「どうせ死ぬなら、お前とやりたい」っていうアイツも良かった。
千草にチ○コめった刺しにされるところも含めて笑。ベスト死亡シーンですな。

実は「マイティ・ソー」の新作のタイトルみたらこの映画のこと思い出して久々に観たんです。
また原作読みたくなってきたー。引っ張り出してまた震えながら読むか。
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