川田章吾

バトル・ロワイアルの川田章吾のレビュー・感想・評価

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)
3.4
久しぶりに見た。
一番最初に映画版を見た時は漫画の印象が強くて、その差にすごく不快感を覚えたけど、今見ると面白い演出も多くあり…

まあまあな不快感だった。

まあ、不快だったことには変わりないけど、監督の力量に少しは良いところもあったかなって感じ。

演出の良いところは、字幕と音楽。
生徒たちの印象深い言葉を字幕で出すのは、少し前のエヴァからの流行だと思うけど良い。後は劇中で使われるクラシックも独特の世界観を醸し出していて良かった。

ただ…ただ、脚本はセンスがなさ過ぎ。
先ず、漫画のようにそれぞれの生徒たちの過去が描写されていないと、ただの殺し合いになっちゃう。相馬光子だって桐山和雄だって社会によってサイコキラーになっただけで、本当は人間らしさを持っていたはず。そこを描かないと物語に深みが出てこない。

もし時間の尺が足りないたら、大胆に改編して、20人学級とかにした方がいい。
原作読んでないからなんとも言えないけど、漫画と比べるとかなり違う。
これくらい違うなら、設定も含めて、もっと大胆に変更すべき。

あと、一番腹立つのが七原秋也。
こいつ…ただのポンコツやん。
結局、川田章吾しか活躍してなくて、七原が「俺はなんもできなくて…」って泣いてたけど、声を大にして言いたい。

「そうでしょうね!
    オマエは何もやってねえよ」

これ、もう主人公は川田章吾でいいんじゃないですか?
漫画版の七原はもっと人間的な魅力があって、最高にクールだったと思うけどな。

ことほど左様に、この話自体が土台無理のある社会派SFものなんだから、エッセンスは残しつつ設定をもっと大胆に変えて、思いっきり描いた方が絶対いい。
監督はこんなひどい台本で頑張ってたと思います。この内容だと、これ…ただのサイコキラーものだよ。
川田章吾

川田章吾