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ライブテープのswimmyのレビュー・感想・評価

ライブテープ(2009年製作の映画)
4.3
音楽はライブこそ至高だと思うけれど、この『ライブテープ』は映像作品ならではの感動をこれでもかとばかりに見せつけてくれる。内容は、前野健太が吉祥寺を歩きながら、ひたすらに歌い続ける、それが74分ワンカットで撮られている、というもの。

彼は素晴らしい”シンガーソングライター”で、だれもが共感できるような日常の歌を歌う人なのだけれども、この映画ではそれがどシンプルに、そのままに映されている。ストレート一本勝負の潔さがとても良い。贔屓目の可能性は否めないものの、観た人すべてが一度くらい心震える瞬間を孕んでいるのではないかなあ…。暮れなずむ井の頭公園での演奏なんて、食い入るように見てしまったもん。

生活に寄り添う歌 酸いも甘いも噛み分けたかのような、決して優しいだけではないその音楽に、だんだんと生々しくなっていくわたしの感情。救われている。「生きていかなきゃね。」というキャッチコピーも、さりげなくも強力な説得力を持っている。

母とくぐつ草でカレーを食べて、今はなきバウスシアターでこの映画を観たのは確か2009年。松江監督と前野さんがいて、少しだけ話したけれど、感想が言葉にならなかった。そんな当時の思い出話をしながら実家で再見。平和で幸せな大晦日、今年も一年ありがとう。

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2015年のラストレビューが個人的な好み炸裂でここまで読んでくれた人は少ないかもですが、最後に!

今年の後半はFilmarksのお陰で素敵な映画にたくさん出会えました。自分が知らない世界 中々興味を持てなかったジャンルにすこしずつ足を踏み入れていく感覚はとてもワクワクする。来年もどうぞよろしくお願い致します。
それでは良いお年を!




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黒歴史多めのmixi日記見てたら当時の生々しい感じの感想文が出てきたので追記。
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公開初日の昨日は舞台挨拶がありました。


満面の笑みの松江監督に、いたって自然体の前野くん
同じ人間なのかと疑ってしまうほど可愛らしい長澤つぐみちゃん、
半分酔っ払い?のDAVID BOWIEたちのみなさんによる、
和やかな舞台挨拶がおわり・・・



心地よい緊張感のなか始まった74分ワンカットのその映画は、

本当に、素晴らしいものだった。




吉祥寺の雑踏のなかに溶け込むような、
それでいて、はっきりとくっきりと存在感のある、
前野くんの偽りのない姿と、歌と、ギターの音と、言葉と。
人間そのもの、街そのものが、ありのままに映し出され、
生活感が、人の生きる力や思いが、ひしひしと伝わってくる。


そんな映像。


前野くんの歌には、

ドキドキする気持ちとか、悶々と悩む人の姿、
苦しいほどの恋心、抑えきれないリビドー、
ありふれた毎日、穏やかな幸せ、どこか懐かしい光景だったり・・・


そういう、人間らしくて愛おしいものがぎゅぎゅっと詰まっていて
1曲1曲、わたしはその歌のなかに引き込まれていったような気がした。
嬉しくなったり、わくわくしたり、切なくなったり、ほっこりしたり、悲しくなったり。
あちこち、飛んでいったよ。


本当に、胸がいっぱい。
見終わったあとにこんなにも温かい気持ちになれるなんて。



とても、良い映画です。
もう何回か見たいほどに。


予告編、よかったら見てちょうだい。