ちろる

続・飢える魂のちろるのレビュー・感想・評価

続・飢える魂(1956年製作の映画)
3.6
『飢える魂』の続編として、急激に変化していく2組のカップルがどのように着地を迎えるのかを描く。

本作はとにかく舞台が目まぐるしく変化する。
この1950年当時の日本の風土を登場人物たちと共に楽しめるのも見どころです。

更にこの当時のこの手の作品では珍しく、物事が進むにつれて、女に主導権があり、この絶妙なクズさを残す男どもがどつ転がされていくか少しのワクワク感を持って見守ることができるので、曖昧さを残した前作よりもエキサイトして楽しめました。

飢える魂とは、誰の何を指していたのか?

初め寂しい満たされない女たちの欲求不満を示しているような気がしてなんか嫌な気持ちにになったのだけどこの清々しいラストまで見れば少し納得できる。
飢えてどうしようもなくカラカラになった魂も潤すことができるのは、誰か別の異性の存在などではなくて、結局は自分自身だけなのだということを思い知らされる。
そして前半では少し不安気に見えた令子や轟もラストには少し頼もしく見えてくるのがさすが川島作品である。
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