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メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬のUSKのレビュー・感想・評価

5.0
記憶を消してもう一度観たい!舞台、世界観が神がかっている!本気で劇場の大きいスクリーンで観たいと思った作品。

脚本家ギジェルモアリアガが創り出すストーリーがたまらない!彼は『アモーレスペロス』『バベル』『21グラム』『あの日欲望の大地で』独特な傑作ばかり輩出してます!『バードマン』を観て思ったんだが、今までのイニャリトゥ作品はアリアガの脚本が強かったんだなぁと実感しましたね。

本作はメルキアデス・エストラーダというメキシコ人が殺されて3度埋葬される過程を描いています。

【一度目の埋葬】
国境警備隊のマイクは国境付近でジャッカル狩りをしている男メルキアデスエストラーダという男を誤射して殺してしまう。

【二度目の埋葬】
砂漠地帯をパトロールしていた国境警備隊の仲間がジャッカルが死体を掘り返している所を発見し事件が発覚するが身内の問題であるのとメルキアデスエストラーダという男の身元が不明な為再び埋葬される。

【三度目の埋葬】
メルキアデスエストラーダという男には保安官の友人がおり、その友人に死後どうしてもヒメネスという故郷に埋葬して欲しいと頼んでおり、死を嗅ぎつけた友人ピートが動き出す。。

旅にでるまでのストーリーが『バベル』の様に巧妙に造られています。

それにしてもトミーリージョーンズがとにかくいい!保安官で友人思いの超いいやつなんだけど、蟻よけのため死体を火で炙ったり、変な液体を死体に染み込ませたり、死体の髪を撫でたり奇妙なイカれた役を演じてます!!こんなキャラ多分後にも先にもいないだろう!

ここまで聞いた感じではエグい映画と思う人がいると思いますが、これ超いい映画なんですよ。自分でもビックリするくらい心にグッときました。

何故だろう。『ノーカントリー』でトミーリージョーンズが話していた”お父さんの物語”を思い出しました。

まだ観てない方は観るべきだ!!
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