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ラフ ROUGHのsingerのレビュー・感想・評価

ラフ ROUGH(2006年製作の映画)
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そんなこんなで。
「タッチ」の全26巻、劇場版3作、実写版までを観返したわけですが、
実のところを言うと、あだち充の作品の中で自分は「ラフ」が1番好きで、
リアルタイムで少年サンデーを毎週買って楽しんでいたのを覚えています。

なんかねぇ。
自分は昔っから、ちょっと天邪鬼なトコがあって、王道の「ジャンプ」ではなく、
当時は少数派の方だった「サンデー」が好きだったんですね。
でも、「らんま1/2」や、「機動警察パトレイバー」、「YAIBA」、「B・B」など、面白い作品が結構あったし、自分は「サンデー」を読んで、少年から青年になったんだと感じています。
ちなみに、その後は「ヤングサンデー」と「ビッグコミックスピリッツ」という、小学館ラインで青年漫画に移行しましたね。

で、この「ラフ」だけは、本当に思い入れが強くて、今でも原作のコミックスは全巻、大切に持っていて、数年おき位に読み返したりしています。
そんな中、「タッチ」の実写化の翌年、2006年に公開されたこの実写版。
前年の「タッチ」で苦い思いをしたので、嫌な予感がしてはいたんですが、この「ラフ」も実写映画の尺では、全然、原作の魅力が生かされてなくて、これまたかなりガッカリさせられてしまったのを覚えてます。

キャスティングも「タッチ」で浅倉南を演じたからと言って、またも長澤まさみをヒロインの二ノ宮亜美に起用したのは、ちょっと短絡的過ぎな印象だったし、
速水もこみちの大和圭介も、なんかシャープでカッコ良過ぎて、イメージと違うなぁという感じでしたね。
ストーリー展開も、原作の大事なポイントを、ただ拾っただけで、
そこに至るまでの感情や、恋情の行き交う部分が端折られてるだけあって、
見ていて全く響くトコロが無かったし、正直言うと原作に思い入れが深い分、そのまんま等分で裏切られてしまった感が残ってしまっていました。

久々に観返しても、その印象はやっぱり変わらず。
なので、好きな漫画作品の実写化の失敗例を、まざまざと見せつけられたという感じだったし、やっぱりそこそこの長編漫画の実写化っていうのは、凄くハードルが高いんだなぁと痛感する思いですね。

そう考えると、個人的に漫画原作の実写映画で、最近良かった作品というと、
「ちはやふる」「キングダム」「ライアーゲーム」「寄生獣」「カイジ」「賭ケグルイ」「銀魂」は面白かったですね。

まぁ、及第点以上かなと思ったのは、
「ザ・ファブル」「るろうに剣心」「東京喰種」「ニセコイ」「ヲタクに恋は難しい」「かぐや様は告らせたい」あたり。

逆に、失敗だなぁと思うのは、
「BLEACH」「ジョジョの奇妙な冒険」「テラフォーマーズ」「無限の住人」っていう感じですね。

自分は最近はあんまり漫画は読まなくなってしまったので、漫画原作の作品も、これからは実写映画から入ってくことが多くなると思うし、原作の良さをしっかり生かした作品に期待したいという思いはありますね。
そして、そこから原作も読んでみたくなるような、そんな作品に巡り会えると嬉しいなぁと。
ちなみに、最近では映画を観て興味が湧いて「ザ・ファブル」を全巻読みました。
こちらは、実写もまずまず良かったですが、原作の方が全然、面白かったなぁ。

ということで、話が他の作品の話になってしまいましたが、やっぱり思い入れの強い漫画の実写化には、色んな思いが絡んで、なかなか満足の行かないものだなぁと、そんな思いが残りましたね。
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