滝和也

オズの魔法使の滝和也のレビュー・感想・評価

オズの魔法使(1939年製作の映画)
4.1
勇気と知恵と心
そして家族愛…

鮮やかな色彩と
突き抜けた明るさ。
楽しすぎる歌に
個性豊かなキャラ。
正にミュージカルの傑作

「オズの魔法使」

カンザスの少女ドロシーが愛犬トトと共に竜巻に巻き込まれて着いたのはオズの国…。人気童話のミュージカル化であり、モノクロからカラーフィルムに映画が変わって行く過渡期故の大胆なアイデアが組み込まれ、天才ジュディ・ガーランドが主人公ドロシーを演じた事で珠玉の名作として記憶された傑作。

現実の世界からオズの国に移動した瞬間にモノクロからテクニカラーの鮮やかな画面に切り替わる大胆な演出。そして色鮮やかなオズの国の世界。原色の美しい世界は全てセットで舞台の様に見えますがまたそれがいいんですよね(^^)

そこにいるキャラクターは底抜けに明るく楽しい素晴らしいキャラクター達。頭の中も藁で脳みそ=知恵が欲しいカカシ、胸の中ががらんどうで心がないブリキ男、臆病で勇気がないライオンと言う見事なラインナップ(笑)ここに家に帰りたい家族を思う気持ちに気づいたドロシー。正に知恵と勇気と優しき心、家族愛を語る児童文学の鑑ですね(^^)コメディリリーフとしてNo.1はライオンかなぁ。めちゃくちゃ面白い(^^)

キャラクターと言えば…何よりおっかないのがガルチさん。魔女と同じ方なんだけどガルチさんがこえぇ…。ママチャリを背筋伸ばして頭動かさず真っ直ぐ前見て、運転する女って怖くないですか(笑)その後、魔女になるんですが、ディズニーと比べてこちらも怖い。なんつう顔してんだと…。更に彼女が操る魔導兵団もなんか怖い。猿に天狗みたいな服に羽って…。これ小さな子にはちょっとキツイかも…。まぁ敵は怖いほうが良いか…。

画角の美しさに足して、底抜けに明るい歌の釣瓶うち。美しい名曲オーバーザレインボーから始まりますが、どの楽曲も楽しく素晴らしい。それも天才、ジュディ・ガーランドの存在ゆえ。この作品が代表であり、天才ゆえに薄幸な方でしたが…やはりこの作品は凄い…。

三十年以上ぶりに見たんですが…エンターテイメントの極地と言うか、圧倒的な明るさにやられましたね。兎に角楽しくて…怪我人の滝にはちょうど良くて…楽しめました…。
滝和也

滝和也