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オズの魔法使のryodoのレビュー・感想・評価

オズの魔法使(1939年製作の映画)
4.8
『ウィキッド』観てるとなお面白い。

ジュディ・ガーランド主演。
児童文学「オズの魔法使い」を原作としたミュージカル映画。


有名だけど、何気に初めて触れた作品だった。本作の前日譚にあたるブロードウェイミュージカル『ウィキッド』にハマってしまい使命感に駆られ鑑賞。

とりあえず30年代の映画は初めて見るし、その上ミュージカルなんて想像できなかったけど…とっても観やすい。
カラーも綺麗で全然違和感無く観れた。『♪虹の彼方に』はやはり名曲。
ジュディ・ガーランドデビュー!

そして何より事前に『ウィキッド』を観てるから、西の魔女と北の魔女の関係だったり、あの3人の正体だったり、色々繋がりを考えるともう…最高だった!!!

エルファバとカカシ男はカップルでしょ?(笑)


※「ウィキッド」ネタバレ※

−カンザスに住む少女ドロシー。家出をしようとすると嵐に巻き込まれ、家ごと吹き飛ばされてしまう…。

ドロシーことジュディ・ガーランド、健気で可愛い。そして早速♪『虹の彼方に』は子守唄のような気持ちいいメロディ…というかオズの曲だったんだ(笑)

そしてあの「嵐」!! 
実はこれは自然現象ではなく、逃亡した西の魔女ことエルファバを捕らえるために天候の魔法を得意とするマダムモリブルがエルファバの妹である東の魔女ことネッサローズを囮として危害を与えるために起こしたものであり、ドロシーはそれに巻き込まれたのだった。
…というウィキッドとの繋がりを考えながら観ると別作品に感じると思う(笑)

飛んでるとき窓に一瞬西の魔女らしき影が映るんだけど…危険を予知し、フィエロと別れて妹を助けに来る最中のシーンなのかなと思った。

−ドロシーはオズの国へと辿り着く。その際、東の悪い魔女を家の下敷きにしたことで北の良い魔女には歓迎され、西の悪い魔女の怒りを買う…。

オズに来るとカラーに変わるの素敵!
ビックリするくらい色がキレイ。
そしてグリンダとエルファバ〜!
この二人が学生時代友達だったなんて全然思えない(笑)。一緒に「♪Defying Gravity」歌ってたなんて思えない(笑)

あのルビーの靴は姉(西の魔女)から妹(東の魔女)へのプレゼントで、お陰でネッサは歩けるようになったんだよなぁ…なのに家の下敷きという酷い仕打ち(笑)
そりゃ姉西の魔女さん怒りますよ。
そりゃ妹の靴取り返しますよ。

−家に帰るにはエメラルドシティに居るオズの魔法使いを訪ねる必要がある。そしてドロシーは黄色いレンガを辿って歩くとまずカカシ男と出会う…。

きたぁ〜カカシ男!!
お前はあのエルファバとグリンダにモテモテだったイケメン紳士フィエロだな!
そして西の魔女(エルファバ)の彼氏(笑)

ドロシーを見送った後エルファバとグリンダが対立して、やってきたフィエロはエルファバを助け、その罰として死ぬまで拷問される羽目になる。でもエルファバの魔法で拷問に耐えて生きていられるようにカカシとなった。
…という凄く切ないバックストーリーを持ったカカシ男、意外と陽気(笑)
あんなイケメンだったのになぁ…。

−陽気に歩き続けると、今度は錆びついたブリキ男。森の中では臆病なライオンと出会う…。

ブリキ男ね〜。
彼の正体はネッサこと東の魔女の付き人でグリンダに片思いしてたボック!

彼はまさにネッサの被害者。グリンダのところに行かせないようにとネッサにめちゃくちゃな魔法をかけられたことによって胸に激痛が走り、なんとかしようとエルファバが仕方なく心臓を必要としないブリキにしてあげたという。
…これまた切ないバックストーリーを持つブリキ男。涙で錆びついたのか?(笑)

そして臆病なライオン。
彼はエルファバとグリンダの学生時代に助けられたあのライオン。

檻に入れられて自由を奪われ、授業の道具のように扱われていたライオンにエルファバは心を痛めて、授業中に魔法をかけてその隙にフィエロと森へ逃してあげたという。
…檻に入れられたのがだいぶショックだったんだなぁ。だからあんな臆病に(笑)

ここで面白いのが、結局3人ともエルファバ(西の魔女)に助けてもらった人達。なのにこれから恩を仇で返すようにエルファバ倒しに行くという皮肉(笑)

−エメラルドシティに着くと、オズの魔法使いに合うことができたが、願いを叶えるには西の魔女のホウキが必要だと言う。四人は西の魔女の城へ向かうのだった…。

ウィキッド観てるとあの魔法使いは悪いイメージしか無いなぁ。
エメラルドの都キレイ…。
魔法使いのビジュアルはキモイ…。
西の魔女が従えてる翼が生えた猿は、魔法使いに騙されて作っちゃったんだよね…解放させてしもべにしたのね、エルファバ。そしてエルファバ、あんな高笑いするっけ?あんなキャラだっけ?(笑)

−しかしドロシーが捕らえられてしまい、カカシたちは助けに向かうが追い詰められ、火で襲ってきた西の魔女に水で対抗すると…。

ワンコのトトが名演技(笑)
3人のポンコツっぷりも好き。

ここで!事前にウィキッドを観てると気になるのが、カカシ男(フィエロ)はずっと『演技』してたのか問題。
カカシ男はエルファバに火をつけられたりするけど、この二人は実際カップルだし!絶対お互い気づいてるはずだし!
そうするとエルファバとフィエロはこの面倒臭い危機を乗り越えるために演技してたことになるはずだし!!
…事実『ウィキッド』のエンディングでは、実はエルファバは水に溶かされたフリをしていたので「生きていて」、フィエロ(カカシ男)が危機が去ったことを知らせると2人はオズから去る。

つまりあの中で2人だけ演技をしていて、互いの愛のために彼氏に火をつけたり、彼女が消えていくのを見たりしてたのだった…と、考えるとエモい(笑)

あと『ウィキッド』では水で溶かされる前に、エルファバはグリンダと良い魔女になる約束を交わす感動シーンがあって泣けるんだよなぁ…でもエルファバ死んでないんだよなぁ…それにグリンダは気づいてないんだよなぁ。

−無事、西の魔女を倒しホウキを手に入れるが魔法使いはただの人間だったことが発覚。そのため北の魔女は靴を3回鳴らすと帰れると助言し、ドロシーはカンザスに帰ることができたのだった。

この魔法使いオズ…実は最低なヤツ。
というのも西の魔女エルファバは母親が浮気をしてその男との間にできた子供。その際緑の瓶を飲まされたため緑色に!
『ウィキッド』ではエルファバの母の形見の瓶とオズが持っていた瓶が、エルファバが水で溶かされた後に同じものだと発覚する…つまりその浮気した男がオズであり、つまりオズの娘はエルファバ(西の魔女)だったことをオズは悟るのだった…しかしそんなことを娘のエルファバは知る由もないのだった…。

、、、という風にドロッドロした結末になってしまう。
…のでそれは忘れて!

夢オチみたいなハッピーエンドがおとぎ話みたいでとても良かった。



『ウィキッド』の影響で観たために半分以上ウィキッドの話に(笑)
勿論、この名作ミュージカル自体も面白かったし世界観がとても好きだったので高評価&後付け設定『ウィキッド』と思いの外説得力のある繋がりが見れたので高評価。

映画『ウィキッド』早く観たい!!!
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