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僕の大事なコレクションのtottsunのレビュー・感想・評価

僕の大事なコレクション(2005年製作の映画)
3.9
私が最近見た映画174
「僕の大事なコレクション」
パッケージが気になってレンタルしてみました!
ユダヤ系アメリカ人の青年ジョナサンは、収集癖がある。気になったもの、思い出になるものは常に持っているジップロックに入れ壁一面に張り出している。ある日、彼の亡き祖父と見知らぬ女性が一緒に写っている写真を病床の祖母から渡された。その女性が祖父の若き日の恩人であるらしいと知ったジョナサンは、祖父の故郷ウクライナへ向かい、自分のルーツでもある場所を目指す。現地で通訳として出会った青年アレックス、自分は盲目だと言い張り盲導犬まで連れてるのに車は運転するアレックスの祖父らと共に写真の女性を探すための旅を開始する。
はじまりはややシュールで謎めいているがウクライナに着くとそのシュールさは加速する。アメリカかぶれのアレックスに怪しすぎて謎すぎるじいちゃん。アレックスの通訳も訛り全開で変な英語だし訳し方もおかしい。3人と1匹の珍道中といった感じの雰囲気だ。
なんて映画を借りたんだろう…大丈夫かな。とそこまではちょっと思っていた。
じいちゃんがジョナサンのことをいい奴と言いだしたあたりから映画の空気が変わった。
こんな邦題やDVDのビジュアルじゃ想像できないくらい重たい大事な話だったのだ。
人間には誰しも過去がある。それは波乱万丈、成功や誇り、栄光があるかもしれないが一方、辛く悲しい、悲惨としか言えない様なものもある。本人がそうなりたかったのではなく、時代や環境故、どうすることもできなかったものもあるだろう。
戦争。それはまさに一般人では鉄砲水の様に押し出されあがらえず激流の中をもがくしかない…
冒頭では想像もつかなかった感情が押し寄せ何かで頭を殴られた様な衝撃があった。しかし、その描き方はなんだか繊細で何かで殴られ続けるのではなく想像させる余韻があった。それにより心が折れる一歩手前で食い止められる。それを描く上で素晴らしかったのがウクライナの景色だった。
一面のひまわりのシーンはなんだか感動的で素晴らしかった🌻
そこから最後までは目を離さずにはいられないほど引き込まれたまま終わりを迎えたこんな映画は久しぶりだった。いい余韻である。
私的には☆☆☆☆かな。
冒頭のやり取りでちょっとイライラしてた自分はなんて子供だったんだろうと反省。
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